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YOUTUBEやブログのタイトルにも効果抜群!キャッチーなコピーとはイジって遊べるコピーです!【広告コピーってこう書くんだ!読本 -谷山雅計 - 】

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なんかいい!けど、なにがいい?

なんかいいと思うものってありますよね?でも、なんでいいの?って聞かれると説明できなかったりしませんか?これはコピーを書くときに非常に重要なことなのです。
ということで、今回は2007年9月に発行された、谷山雅計氏著の【広告コピーってこう書くんだ!読本】を読んで学んだことをまとめています。

 

広告コピーってこう書くんだ!読本

広告コピーってこう書くんだ!読本

 

 

本書では、どう考えれば優れたアイデアを出せるのか、どのようにすれば魅力的なコピーが作れるのか、という疑問に対して、実例を交えながら考え方やテクニックが数多く紹介されています。

発想体質になるための一工夫。コピーの流通力モテるコピー。なんのこっちゃって感じですよね?でもなにやら面白そう。というか面白い。

そんな面白い内容について紹介していきます。

 

「なんかいいよね」禁止。

谷山 雅計 広告コピーってこう書くんだ!読本

   

 

1:アタマを発想体質に!「なんかいい」ではなく「なぜいいのか?」を考えよう。

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体質を変えると聞くと、なにやら難しいことをする必要がありそうですよね?しかも、発想という思考に関することですから、なおさら複雑なことが必要だと思われる方も多いのではないでしょうか?

そんな皆さま、安心してください。まず最初に行うことは非常にシンプルです。大事なことはいつだってシンプルなのです。

まずは、発想体質になるために行う非常に簡単な方法から紹介していきます。

 

 

「なんかいいよね」を禁止して、「なんでいいのか?」を考える癖をつける。

あなたは自分がいいと思うものが、「なんでいいのか」しっかりと人に伝えることができますか?あなたが「素敵」と感じるものがあるなら、「なぜ素敵なのか」をしっかりと説明できるでしょうか?

「なんかいいんだよね」と、しっかりとした理由を述べることができなかったり、そもそも考えたことがないという人が多いと思います。ここが重要なのです。

発想体質になるためには、「なんかいいよね」で終わらせるのではなく、「なぜいいのか?」を考える癖をつけることが必要です。

あなたが「なんかいい」と思ったものは、作り手が「こうしたらよくなる」と思って生み出しています。それが正しいかどうかは別として、確かにそこには作り手の理論が存在するのです。

ここに受け手と作り手の明確な差があります。あなたが優れたコピーを書きたいと思っているのであれば、作り手になりたいはずです。そして、作り手になるためには、理論が必要なのです。「なんかいい」から作るのではなく、「良くするために〇〇する」としっかり説明できる必要があるのです。

そのためにできる非常に簡単なトレーニング方法が、「なんかいい」禁止ということです。

生活をしていれば身の回りにたくさんの「なんかいいもの」があります。ちょっと想像してみてください。あなたがいいと思ってるもの、もしくは悪いと思ってるものについて、理由を説明できますか?

「なんか好きな」食べ物、「なんか気になる」看板、「なんか嫌いな」人、「なんか感動する」絵、大体は「なんか...」とぼんやりした理由ではないでしょうか?

もし発想体質になって、受け手から作り手になりたいのであれば、今日から「なんかいい」を禁止しちゃいましょう。「なんかいい」を禁止して、「なんでいいんだろう」と考えるようにすれば、その考え方が癖となり、気づいたら発想体質になっちゃってます

 

 

まずはこれだけです。たったこれだけですが、非常に大事なのです。なにやら難しそうな参考書を読むでもなく、いいコピーをたくさん見るでもなく、

日常を「なんか」で終わらせず、「なぜ?」で埋め尽くしましょう。

考えて考えて考えまくる。それが「発想体質」になるための第一歩です。


Point
それには必ず理由がある。

 

 

2:コピーを徹底解剖!刺さるコピーを書くための基礎。

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発想体質になったから、いつだって最高のコピーを生み出せる!ってそこまで単純ではありません。気の利いた言葉を言ったつもりが、相手にまったく響いてなかったっていう経験ありませんか?または、相手がなにやら良さげな言葉を言ってきたけど、自分には全く響かなかったという経験はどうでしょう?

発想体質になれば、思いつくことはできます。発見することはできます。ただ、発見したワードが相手に刺さるかどうかとなると、さすがに難しいところです。

そもそも、相手に刺さる刺さらないってなんなんですかね?何が影響するんですかね?

 

こちらでは、そもそもコピーとはなんなのか、そのためには何が必要なのかについて紹介していきます。

 

 

忘れないで!コピーの目的は「人」や「モノ」を動かすこと。

コピーと言われると、かっこいい表現や、気の利いた言い回しなどが思い浮かびますよね?では、「かっこいいだけ」で、あなたは動くでしょうか?「気の利いたことを言われただけ」で、あの人は動くでしょうか?

「おしゃれだなー」とは思いこそすれ、それだけで商品を買ったり、映画を見に行くという気持ちにまでは、なかなかならない人が多いと思います。

つまり、「かっこいいだけ」でも「気が利いてるだけ」でもダメなんです。

コピーとは、「人やモノに対して行動を促す言葉」なのです。

「ちょっと気になるから商品買ってみよう」「試しに一回行ってみようかな」というように、行動を促進する言葉、これこそがコピーです。

まずはコピーの目的をしっかりと頭に入れておきましょう。

 

 

「人」を動かすためには「描写」ではなく「解決」が必要。「状況を描く」のではなく、「状況を変える」ことを考えろ。

では、行動を促進するためには何が必要となるのでしょうか?何を考えればいいのでしょうか?

本書内の例文を見ながら考えてみましょう。

セピア色の本が積んである。

このコピーはどこで使われる想定で書かれたものだか、わかりますか?これは、古本屋さんの利用者を増やすために考えられたコピーです。

このコピーを見て、古本屋に行きたい!と思う人はどれほどいるでしょう?おそらく、ほとんどいないと思います。なぜなら、

「古本屋さんには古い本がありますよ」という事実を、言葉を変えて伝えているだけだからです。

つまりこのコピーは古本屋さんを描写しているだけなのです。それでは人は動きません。元々知っている事実を、おしゃれな言い方で伝えられているだけだからです。「そういう言い方もあるよな」と思うことはあっても、行動を移すほどの力はありません

人を動かすためには「解決」が必要なのです。現状をなんとか解決しようとしているコピーこそが、人を動かすことができるのです。

では、どうすれば「解決」するコピーとなるのでしょうか?本書内に以下の例文があります。

お風呂で読むための本や雑誌なら、古本屋で。

どうでしょうか?こちらのコピーであれば、少なくとも「お風呂で本を読みたいけど、本がふやけてしまうのは嫌だ」という問題を解決しようとしています。この他にも解決案はたくさんあると思いますが、どんな解決案だろうと、

すくなくとも、現状の問題をなんとか「解決」しようとしているのです。

ただ描写して伝えるよりも、相手の抱えている問題を解決するコピーの方が、人を動かす可能性は圧倒的に高くなります。

だからこそ、「描写」ではなく「解決」が大事なのです。コピーを考える際は、

「すばらしい言葉を綴ってやろう」と考えるのではなく、「いまある状況をなんとか変えてみせよう」と考えてみてください。

コピーの目的は人を動かすこと、そのためには「解決」の提示が必要。このことを忘れないでください。

 

 

みんなそんなに暇じゃない!受け手のことを考えて、短くシンプルな言葉でまとめよう。

誰かに好きなことについて説明するとき、好きで好きでたまらなくて説明がめちゃくちゃ長くなってしまった経験ありませんか?説明が終わった頃には、相手が困った顔で愛想笑いをしているあの場面です。自分自身ではなくとも、そのような現場を目撃したことがある人は多いのではないでしょうか?コピーでも同じようなことは多々あります。

一旦落ち着きましょう。そもそも広告ってどんなタイミングで目に入ってきますかね?大抵の場合、なんとなく視界に入った、程度です。積極的に広告に目を向ける人は少数です。

では、広告に対して我々はどんなイメージがあるでしょうか?スマホに現れる広告や、テレビ番組の合間のCMなどを、どういう感情で見ているでしょうか?

大抵の人は、なんとも思っていない、か、邪魔だと思っている、ケースがほとんどです。

つまり、広告に対して興味がないのです。そんな人たちに向けて長ったらしく説明した場合どうなるでしょう?まず間違いなく嫌われます。家にいきなりやってきて、なかなか帰らない新聞勧誘ぐらい嫌われます。

じゃあどうすればいいの?どうすれば邪魔に思われないの?となると、「そもそも邪魔をしてしまっている可能性があるんだから、

せめて短くシンプルにまとめることが大事です。

極力受け手に手間をとらせないために、できるだけ短くすることが好ましいのです。

コピーを短くした方がいい理由がもう一つあります。それは、「受け手が簡単に覚えられて、簡単に伝えやすい」と、流通しやすくなるためです。

広告にとって大事なのは、「広がり」です。そのためには流通力が必要であり、

流通しやすいのは短くシンプルなコピーということなのです。

長いコピーは覚えておくのも手間ですし、それを人に説明するのも少々難しいですが、短いコピーであれば、それらの問題は起こらないのです。

多くの人は「自分のコピーは読んでもらえるに違いない」と考え、そこそこ長いコピーになってしまいがちですが、受け手の手間流通力、という2点をしっかりと考えて、可能な限り短くシンプルなコピーにするように気をつけましょう。

 

 

嘘じゃあ誰も動かない!決まり文句を鵜呑みにすると、知らない間に嘘をついてしまっているかも。

なんとなーくそうなんじゃないか、って思っていることの一つや二つありませんか?周りがそう言っているから、テレビでタレントがそう言っていたから、世の中がそう言っているから。こういう理由で信じていることって、思いの外たくさんあるんじゃないでしょうか?

でも、それって実際事実なんですかね?本当にあっているんですかね?

これについて、本書内でおもしろい例があったので紹介します。

金持ちがやっていること、貧乏人がやっていることをできるだけたくさん書け。という課題を出したところ、「金持ちはズルい」「貧乏人は損ばかりしている」という答えばかりであった。

とあります。これは事実だと思いますか?残念ながら、これはです。もちろんまるっきり全てが嘘というわけではありません。そういう人もいるでしょう。

しかし、金持ちだけど損ばかりしている人もいるし、貧乏だけどズルい人もいるのです。そのため、先ほどの例は「嘘をついてしまっている」ことになるのです。

なぜこのような「嘘」が出てきてしまうのか?この理由が、「世の中の固定概念」なのです。「みんながそう言っているから」ということなのです。これは非常に気をつけないといけません。

嘘が書かれているコピーでは、人は動かせません。

世の中の固定概念を鵜呑みにせず、本当にそうなのか?本当に皆んなはそう思っているのか?ということを常に検証するようにしましょう。

 

 

書き手の快感と受け手の心地よさは全く別もの!書き手の快楽に溺れて、受け手をないがしろにしてはいけない!

いきなりですが、本書内で書かれているコピーを一つ紹介します。

二毛作ジェル

これは実際に使われていたコピーですが、どう思いますか?2つの用途があるということはなんとなくわかりますが、おしゃれに感じますか?

商品の特徴としては、男性向けに作られたジェルであり、髪のスタイルを整える、髪に養分を与える、という2つの用途を持っていましした。この「2つの用途」があるという部分から、二毛作ジェル」というコピーになったんだと思います。

書き手やクライアントの心情を考えると、2つの用途があることをシンプルに表現したいいコピー、となったんでしょう。

では、受け手からするとどうなんでしょう?そもそもジェルを使う男性は、なぜジェルを必要としているのでしょう?

ジェルは髪型を整えるものであり、髪を整えるのは見た目を気にしている人です。そしてその中には女性にモテたいと思っている方も大勢います。ということは、

二毛作ジェル」という、決しておしゃれとは思えない表現をされても、おしゃれのために頑張っている男性には全く響かないのです。

これが、書き手の快感と、受け手の心地よさの違いです。書き手の快感だけでコピーを作ってしまうと、受けてにとって非常に違和感のあるものになってしまう危険性があるのです。

では、書き手の快感と、受け手の心地よさを両立させるためには、どうすればいいのでしょうか?

簡単な方法があります。「書くときは意味を考えて、チェックする時は感覚で捉える」という方法です。

つまり、論理的に考えてコピーを作るんですが、それを見返してチェックする時は、感覚的に心地よいかどうかを判断する、ということです。

というのも、

受け手は論理よりも、感覚的・生理的な部分が優先してしまうのです。

どんなに論理がつまっていようと、「なんかダサい」という感覚的な部分が少しでも感じられると、もう離れていってしまいます。

じゃあ感覚的にコピー作っちゃえばいいんじゃない?と思うかもしれませんが、それではなにやら耳触りがいいだけで、実際に人を動かすことはできないのです。

論理的に作り、感覚的にチェックする。これが人を動かすコピーを作るために必要な方法なのです。

 

 

以上がコピー制作の基礎となります。

まとめると、コピーは人を動かすために書かれている。人を動かすためには「描写」ではなく「解決」を提示することが大事、気をつけるべきはなるべく短くシンプルにまとめてコピーの流通力を上げつつ、嘘をつかないということ。そして最後に、書きあがったコピーを感覚的にチェックして、生理的に拒絶反応が出ないかどうかを確認する。

ということです。間違っても自分の好みを押し付けるようなコピーではダメです。誰も動いてはくれません。

受け手に心地よくなってもらい、行動をしてもらうためにるために、コピーは存在する。

ということを忘れないでください。

 

Point
コピー作りは、プレゼント選びと似ている。

 

 

3:もっと刺さる!もっとモテる!もっと広がる!一段上のコピーを書くためのあれこれ

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ここで一旦、自分のレベルを確認してみましょう。あなたはどれくらい「自分で考えた言葉」「世の中の関係」をイメージできているでしょうか?

レベル1:かっこいいフレーズが書けた、気になる言葉が書けたと満足する。

レベル2:どのようなビジュアルにコピーを載せるかを考え出す。

レベル3:広告を見た人はどう感じるだろうか?を考え出す。

レベル4:広告を見た人が他人になんていうだろうか?を考え出す。

レベル5:広告で実際にどのぐらいに人がどのような行動をするかを予測できるようになる。

どうですか?自分は今どのレベルだと思いますか?

レベル2までは「作り手目線」しかありません。受け手がどう感じるかなどはまだ考えられていません。レベル3になると、「受け手目線」が考えられるようになり、レベル4になると、「受け手の行動」をイメージできるようになります。レベル5までいくと、広告による社会の変化」を予測できるようになるのですが、これはトップオブトップの人たちだと考えたほうがいいです。なので、当面はレベル4を目指しましょう。

では、これを踏まえた上で、もっといいコピーを作るためにはどうすればいいのか?どうすればもっと人を動かせるのか?それらについてまとめていきます。

 

 

受け手は次の発信者!とにかく流通を意識しよう。

伝言ゲームを知っていますか?ある言葉を一人が聞いて、それを順繰りに次の人に伝えていき、最後の人と答えが一致するのか?どんな食い違いがうまれるのか?を楽しむゲームです。

コピーの流通とは、伝言ゲームと似ています。最初に受け手だった人は、受け取ったときから発信者に変わります。受け手として自分が見たり聞いたりしたことを、違う誰かに伝える発信者になるのです。だから、

広告を見た人の気持ちだけではなく、それを人に伝える時の気持ちまで想像しなければならないのです。

見たときは心に刺さったけど、人に説明するのはちょっとめんどくさい。見たときはハッとしたけど、わざわざ人に伝えるほどではない。このように、「受け手が発進する時の気持ち」を蔑ろにしていると、結果として流通されにくいのです。広まりづらいのです。

だからこそ、シンプルで短いコピーがいいとされているのです。長くて複雑なコピーは、受け手がいいと感じたとしても、その先の誰かに説明するのが面倒なのです。

ということで、流通をしっかりと意識して、受け手が発信者に変わったときに、発信しやくするためにはどうすればいいのか、をしっかりと考えましょう。

 

 

頭の片隅にある気持ちが、思わず口から出ちゃうような仕掛けを意識する。

自分の好きなもの、もしくは馴染みの深いものに対して、「色々言われているけど、実際はこうなんだよ!」「皆んなわかってないけど、一番いいところはここだから!」というように、頭の片隅で思っていることってありませんか?

言いたいけどなかなか言う機会がない。でも言いたい!ってことが意外とあると思います。その気持ちをおおっぴらに言える機会が訪れたとき、片隅にあった気持ちは爆発します。

「言いたい!言いたい!」と思っていることを、言わせてあげることができると、受け手の発信力がより強化され、ますます流通力が上がるのです。

これについて、本書内では大阪で行われた広告キャンペーンを例にして説明しています。

旅客鉄道会社であるJR東海の広告キャンペーンを実施するにあたり、大阪の有名なシンボルが利用されました。かに道楽という有名なカニ料理のお店が大阪にあります。店先には大きなカニのオブジェが飾られており、シンボルとなっています。そのカニが店先からいなくなり、日本全国を旅している、という広告が作られました。

そのときの大阪の方の反応が以下のようなものだったようです。

やっぱ大阪はシャレのわかる街やで

大阪商人はしっかりしとるわ

このような反応がたくさんあったそうです。では、大阪の方が広告を見たことで出てきたこの反応は、広告を見るまで考えたこともなかったようなことでしょうか?

違いますよね。もともとそういう思いがあって、広告という話のネタが出てきたことで、おおっぴらに、声高らかに、思いを叫ぶ口実ができたのです。

もちろん、「こんな解決策があるのか!?」という気づきを与えるコピーも素晴らしいですが、「言いたいことを言わせてあげる」コピーもまた素晴らしいです。

言いたいことが言える、多くの人に言える、つまり、受け手がめちゃくちゃ声の大きい発信者へとなってくれるのです。

これは世の中に広めるための大切な技術なので、是非意識してみてください。

 

 

モテるコピーとは、皆んながイジって遊べるコピー。

見てるだけで楽しいものってありますよね?自分は参加しなくとも、眺めているだけで楽しいものはたくさんあります。ですが、参加できたらもっと楽しいと思いませんか?もちろんプロサッカーを見てて楽しんでる人が、プロサッカーに参加したらヘトヘトに疲れちゃうし、みんなの足引っ張っちゃうし、全然楽しくないでしょう。

でも、参加するものが、誰にも迷惑がかからず、しかも正解も不正解もない、つまり恥をかく可能性が全くないものだったらどうでしょう?楽しく参加できちゃうんじゃないでしょうか?

コピーは極端に言ってしまえば言葉遊びです。そもそも遊びなので、それに参加したって失敗するわけがないのです。そして、

参加できるコピーの方が、受け手は遊べるのです。楽しいんです。楽しく遊べるから、ますます流通していくのです。

では、参加できるコピーとはどんなものでしょうか?

それは、「イジリやすい」ということです。「冗談にしやすい」ということです。本書内の例を見てみましょう。

昼間のパパはちょっとちがう

昼間のパパは光ってる

昼間のパパはいい汗かいてる

昼間のパパは男だぜ 

これは有名なコピーライターである糸井重里さんが作ったコピーです。これまた本書内で、このコピーをイジって遊んでいます。

夜中のパパはちょっとちがう

夜中のパパは光ってる

夜中のパパはいい汗かいてる

夜中のパパは男だぜ 

どうですか?なにやら途端にハレンチなコピーになってしまいました。このように、ちょっとイジって遊べちゃう、受け手が冗談として使いやすいコピーは、受け手が積極的にイジってくれるのです。これが、参加型コピーなのです。

イジられてしまえばこっちのものです。コピーが勝手に変化を繰り返し、勝手に多くの人に届きます。このようなアプローチもあるということを知っておいてください。

 

 

受け手に納得を与えるには、意識の下の方に眠っている「そういえばそうだね」を掘り起こす。

何かを誰かに伝えたとき、その反応は大きく分けて三つに分かれます。

そりゃそうだ

そういえばそうだね

そんなのわかんない

順番に、わかりきっているという反応、言われてみればそうだねという反応、言われたってわかんないという反応の3つです。この3つを著者は、

常識

コピー

アート

と当てはめています。つまり、「当たり前」の常識ではコピーは成り立たず、「荒唐無稽」の奇抜なアイデアもコピーとしては適切ではない。

「知っているんだけど、ちょっと忘れてたわ」という受け手の記憶を呼び起こすものこそ、最もコピーとして適切なのです。

本書内に以下の例があります。

サラリーマンという仕事はありません。(西武セゾングループ

カゼは、社会の迷惑です。(武田薬品

これを見て、どのように感じますか?「そりゃそうだ!」と思いますか?「意味がわからない」となりますか?「そういえばそうだね」と感じる人が多いのではないでしょうか?

この「そういえばそうだね」こそが、受け手に納得を与えられる伝え方なのです。当たり前のことでもなく、奇抜すぎることでもなく、その中間にある「そういえばそうだね」を意識できれば、より良いコピーが生み出せるようになるかと思います。

 

 

以上が、一段上のコピーを書くためのあれこれです。ポイントをまとめると、

受け手が発信しやすくなるような仕掛けを意識する

受け手が言いたかったことを言わせてあげる仕掛けも効果的

イジリやすいコピーは参加しやすいコピーとなる

受け手の「そういえばそうだね」を呼び起こすことで納得を与えられる

という感じです。どれもが「受け手が発進すること」を意識したものとなっています。本当にこの部分が重要で、

口コミの力は偉大なのです。
コピーを考えるときは、自分の言葉で広めるという考え方ではなく、自分の言葉を受け手が広めたくなるにはどうすればいいのか?を意識してやっていきましょう。

 

Point
人もコピーも、イジられやすい方が得をする。

 

 

以上が「広告コピーってこう書くんだ!読本」を読んで学んだことです。ポイントをまとめると、

まずは何を考えるかではなく、考えが浮かびやすくなるように、「なぜ?」ということを常に意識して生活する

コピーを見たり聞いたりした人が実際に行動を起こしてくれるために、「解決」の提示や、「他者に伝えやすいシンプルさ」を意識する

口コミを期待するには、見て終わる「鑑賞用のようなコピー」ではなく、イジって遊べる「日用品のようなコピー」を目指す

となります。色々複雑なように思われるかもしれませんが、大事なことはやはりシンプルなのではないかと思います。

解決案を提示できるようになるためには、まず問題を認識する必要があるので「なぜ?」と思いながら過ごすことが大事というのはシンプルですよね。

受け手が発信者になってもらえるように、覚えやすくて言いやすいコピーが適しており、そうなるとシンプルで短いものが好ましいというのもまたシンプルです。

そして見て終わるコピーではなく、見た後に遊べるコピーの方が口コミが期待できますから、そのためにはイジリやすいものが適しているというのも、めちゃくちゃシンプルです。大事なことはいつだってシンプルなのです。

難しく考えずに、色々試しながらやってみてください。

また、本記事は簡易的な要約となっていますので、コピーの書き方について非常に興味が湧いたという方は、是非本書を読んでみてください。

最後に本書の一節を引用して、この記事を締めたいと思います。

一見地味なように見えても、世の中の人が本当に必要としていて、まだ存在しないものを見つけ出す。

谷山 雅計 広告コピーってこう書くんだ!読本

 

広告コピーってこう書くんだ!読本

広告コピーってこう書くんだ!読本

 

 

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