脳は賢いけど騙しやすい。【なぜイメージするだけで叶うのか? -白石由利奈- 】
2014年12月に発行された、白石由利奈氏著の【なぜイメージするだけで叶うのか?】を読んで学んだことをまとめています。
本書では、人間心理とコミュニケーションに関する学問である、NLP(Neuro Linguistic Programing=神経言語プログラミング)の観点から、願望が現実になる仕組みとノウハウについて書かれています。
NLPは1970年初頭に誕生し、その後、医療の現場や教育の場はもちろん、ビジネスや育児に到るまで様々な分野で活用され続けています。
NLPを用いて、イメージを実現する方法について学んでいきましょう。
願望を実現化するパワーは自分の中にある。
白石由利奈 なぜイメージするだけで叶うのか?
- 1.願望実現には、脳の勘違いと適した考え方を理解する。
- 2.五感でイメージし、宣言で自分も他人も味方にする。
- 3.願望実現を妨げるマイナス方向の思い込みを、プラス方向に変化させることが大切。
- 4.願望実現を手助けする思考モデルと、感情との付き合い方。
- 5.願望実現のための行動計画の立て方。
- 6.あと少し、を後押ししてくれるその他の要素。
- 7.日常的に行うと願望が近づいてくる。願望実現のための習慣。
1.願望実現には、脳の勘違いと適した考え方を理解する。
脳には、「過去と未来」「現実と想像」の区別がつかない、という特徴があります。
すっぱい梅干しを口いっぱいに頬張るところを想像するだけで唾液の量が増えたり、過去の嫌な経験を思い出すだけで動悸がしたりと、想像だろうと過去のことだろうと、脳は現在起こっている事実として認識し、体に反応が出てしまうのです。
これはイメージする力が強いほど反応が出ます。梅干しの例ですと、視覚情報としてイメージするだけよりも、匂いや食感など、より具体的にイメージすることで、ますます脳は現実のものとして捉えます。
脳は現実と想像の区別がつかないという特徴を活用しつつ、考え方のテクニックを駆使することで、願望を実現へと導くことができます。
本当の願望は何?心からの願いを知ることから全ては始まる。
目的達成のプロセスと同様、願望も明確化が必要です。まずは、自分の心からの願いに気づくこと、から全て始まります。
このときにポイントがあります。脳は現実と想像の区別がつかないという特徴があるため、
願いは肯定的な言い回しでまとめることが重要です。
脳の勘違いする特徴から、潜在意識は言葉の意味をダイレクトに受け取ってしまいます。そして受け取った意味が現実となるための行動を促してきます。
なので、「痩せたい」と願ったとしたら、「今は痩せていない」という意味を受け取ってしまい、痩せていないという現実を維持するための行動が促されてしまいます。
この場合は「もっと痩せたい」や「今より痩せたい」と、現在も肯定している言い回しで、今以上に素晴らしい未来の願望としてまとめることで、潜在意識を味方につけることが重要です。
あわせて大切なのが、
願望を達成した状態を想像すると、心が高揚する。
ということです。こうした気持ちが生まれるのであれば、願望は本物です。願望を達成した状態を想像して気持ちが高ぶることは、現実化を後押しする原動力になります。
自分の手札を理解しよう。見落としがちな自分の資質。
生まれながらに持っている性質やバックグラウンド、生きていく中で身につけた知識や経験は人によって異なります。これらは願望実現の手助けをしてくれる大切な存在であり、資質や資源(リソース)と呼べるものです。
リソースは大きく分けて、
外側のリソースと内側のリソースがあります。
●外側のリソース
家族や友人、環境やお金など、自分の周りにあるものです。
●内側のリソース
経験や知識、性質やスキルなど、自分が持っているものです。
その他に
自分で気づいていないリソースもあります。
スキル習得にちょっと時間がかかってしまう人は、すぐに習得できる人に比べ、他人に教えるのが上手だったりします。
自分では短所と思っている部分も、違う見方をすると長所(リソース)になることはたくさんあります。短所には長所が隠れているという前提で、自分のリソースを考えてみることが重要です。
自分でコントロール可能なことが大事。叶いやすい願望の掲げ方。
「〇〇さんに好かれたい」「宝くじを当てたい」というように、周りの変化を期待するような願望は、自分でコントロールすることが難しいため、なかなか叶いにくくなってしまいます。
周りの誰かに変化や協力してもらうのではなく、自分がコントロール可能な願望に限ることが重要です。
誰かに好かれるという願望は、相手の変化が必要ですし、宝くじが当たるかどうかは、完全に運次第です。どちらとも自分でコントロールすることができないため、願望が叶うかどうかも自分の努力だけではどうしようもないのです。
願望を叶えやすくするためには、主体を「自分」にして、具体的に行動に移すことができるような状態にすることが重要です。
価値観と行動を一致させることが、願望実現の鍵。
人生において自身が大切にしている「価値」を明らかにすることで、実際の行動がともないやすくなります。
たとえば、リッツカールトンホテルのモットー(価値観)は、「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた、紳士淑女です」とあります。スタッフの方達はこの価値観により、「紳士淑女のような行動」が促されるのです。
自分自身の価値と、自分の言動や思いが一致するほど、願望は現実となっていきます。
価値基準がはっきりしたら、それを願望にも反映させます。そうすることで願望がより明確になり、現実化するための行動力もともなっていきます。
人の状態を表す3つのレベル。Being・Doing・Having
人の状態は3つのレベルに分けて考えることができます。
●Being
人としての存在やあり方(どういう自分になりたいか)
●Doing
行動や活動
●Having
財産や地位など、所有しているもの
重要になってくるのは、自分自身のあり方(Being)です。自分がどうあるべきかを意識することで、自身のあり方に沿った行動(Doing)が必要になり、行動によって経験や報酬(Having)を手に入れることができます。
自分のあり方を大切にすることで、自分の望む人生のために必要な行動をとれるようになり、願望実現につながっていきます。
願望を持ち、それを叶えるということは、自分をひとまわりもふたまわりも成長させてくれます。そのために重要なことは、
自身でコントロール可能な心からの願望を肯定的に認識し、実現に役立つ自身の資質を把握し、価値観に沿った行動を心がけることです。
まずは自分の心からの願望に気づくところから始めてみましょう。
Point
脳は騙しやすいし、騙されやすい。
2.五感でイメージし、宣言で自分も他人も味方にする。
心に浮かんだ願望は最初はただのアイデアですが、五感で感じられるほどディティールを形作ることができれば、より現実化しやすくなります。脳は現実と想像の区別がつかないので、五感で感じられる願望は、実体験と同じようになり、あらゆる情報をキャッチできるようになります。
つまり、五感をフル稼働し、願望が現実になったらどんな世界が見えて、どんな音が聞こえて、どんなことが感じられるか、ということまで具体的にイメージすることで、脳を完璧に騙すことが重要です。
五感を使ったイメージトレーニング。
何度も書いているように、脳は現実と想像の区別がつきません。さらに過去と未来の区別もつきません。この脳の特徴を利用することで、願望を実現しやすくすることができます。
五感を使いながらイメージすると、条件反射的に体の反応が起こります。すっぱい梅干しを強くイメージすると唾液が出たり、嫌な経験を強くイメージすると息苦しくなったりと、なにかしらの反応が体に起こります。
五感を使ってイメージすることで、神経や体が反射的に反応するという特徴を利用し、
現実を調整することが可能になります。
五感を使って成功しているイメージをすることで、脳は現実のものとしてそのイメージを覚え、実際にそうなるように行動を促してくれるのです。
そのためには、常日頃成功するイメージトレーニングをすることが大切です。
必ず成功している姿を想像してください。
「失敗しないでできている姿」ではなく、「成功している姿」というように、肯定的に想像することが重要です。
否定的な言い回しの願望や、逆に失敗している姿を想像すると、脳はそれを現実として覚えてしまうので、失敗するように行動を促してしまいます。脳の使い方を間違えないように注意しましょう。
条件を満たすことで、願望は実現しやすくなる。
願望が実現しやすくなるための条件をまとめていきます。
●肯定的で具体的な表現で願望を認識する
「失敗しない」ではなく「成功している」というように、肯定的に認識することが大切です。
●自分でコントロール可能
運や他人の変化が必要なものは、自分ではどうしようもありません。自分でコントロール可能な願望であることが大切です。
●五感でイメージ可能
五感でイメージできることで、脳が勘違いをし、体が願望実現に向けて反応します。
●自分だけではなく周りにも良い影響を与えるもの
願望を達成することで、自分だけではなく、周りの人にも良い影響をあたえられるものであれば、周りの積極的な協力が考えられるため、より実現可能性が上がります。
この条件が満たされていれば、実現しやすい願望と言えます。もし条件を満たせない願望であれば、一度見直してみる必要があります。
上記の条件を満たしているのであれば、
願望を口に出して宣言することで、より実現しやすくなります。
口に出すことで、周りの人が自分の願望を認識し、積極的に協力してくれることもあります。間違わないで欲しいのは、他人の変化を望むということではなく、自分の変化を応援してくれるということです。
また、常々口に出すことで、願望が自分の潜在意識に強くインプットされるため、より鮮明にイメージしやすくなります。
願望実現のためには、強く肯定的にイメージすることが大切です。五感や潜在意識、周りの人と全ての資質を活用していきましょう。
条件を満たす願望を認識し、五感を使ったイメージトレーニングで、成功している姿を脳に覚えさせ、宣言することで潜在意識に働きかけましょう。
大事なことは具体的かつ本気で願うことです。曖昧なものではイメージがしづらくなってしまいます。強くイメージできないと、脳を勘違いさせることができないため、なかなか叶いづらくなってしまいます。
Point
五感を活用して脳を勘違いさせ、宣言することで潜在意識に働きかけましょう。
3.願望実現を妨げるマイナス方向の思い込みを、プラス方向に変化させることが大切。
意識しているしていないに関わらず、人は「自分はこんな人間だ」というセルフイメージを大なり小なり持っています。このセルフイメージ(自分自身に対する評価)が低いと、チャンスが訪れたとしても、素直に受け入れることができません。
また、中途半端に経験や体験したことがあるために、「きっとこうに違いない」と決めつけてしまうことも多々あります。
さらに、日本人はリスクを恐る傾向が強いということが、諏訪東京理科大学の篠原教授の遺伝子研究により判明しています。リスクを回避しようとする傾向が、アメリカ人は40%に対して、日本人は98%という結果が出ています。
セルフイメージが低い、思い込みが強い、リスクを極端に恐る、といった傾向は、絶好のチャンスを遠ざけてしまう要因となります。
このような願望実現を妨げる要因を手放して、チャンスを逃さないようにしていきましょう。
思い込みはものすごくパワフル。
思い込みフィルター
様々な体験によって、思い込みは形成されていきます。その体験を自分なりに意味付けをし、潜在意識にストックしていくのです。この作業は無意識下で行われています。
母親の体内にいるときから、5-6才ぐらいまでの間は、周りの刺激をほとんどそのまま吸収します。
その後7-11才ぐらいの間に、フィルターが形成されます。このフィルターがどんな働きをするかというと、
自分の意識の中にある思い込みと、マッチする言葉や体験はフィルターを通過させて受け入れますが、マッチしないものは通過させず受け入れないという性質があります。
たとえば、「わたしはバカだ」という思い込みがある場合、他の人から「バカ」と言われたら、「そうなんですよ」とすんなり受け入れますが、「賢いね」と言われると、「そんなことはない」と素直に受け入れられないという感じです。
思い込み証明センサー
また、意識は自分の思い込みを証明するために、常にセンサーを働かしているという特徴があります。
「わたしはバカだ」という思い込みがあるとしたら、「バカ」である証拠を常に探しているのです。何か忘れ物をした、道を間違えた、降りる駅を間違えた、結果が良くないなど、「バカ」ということを証明する体験を、強くインプットする傾向があります。
そしてこの証拠は、上記で説明したフィルターを簡単に通過し、思い込みをさらに強固なものにしていくのです。
このように、マイナス方向の思い込みは、結果的に願望実現の大きな妨げとなってしまいます。
しかし、思い込みを肯定的なものに変換できれば、
フィルターもセンサーも肯定的なものを積極的に受け入れるようになり、チャンスを逃さず獲得できるようになります。
思い込みは一度プラス方向に変化させることができれば、意識的にマイナス方向にしようとしない限り永続的に持続し、願望実現の手助けをしてくれます。
思い込みを変化させる方法。
マイナス方向の思い込みは、願望実現を妨げるので、プラス方向に変化させるか、消してしまう必要があります。
思い込みを変化させる方法は、いくつかあります。
フレームチェンジ
物事の捉え方・見方(フレーム)を変えることで、不要な思い込みを変化させることができます。
相手の視点や、長い目で見た視点など、さまざまな視点から物事を捉えてみると、なにかしら肯定的なものへと変化させることができます。
「何かを学ぶのに、人より時間がかかってしまう」というフレームがあったとしたら、「時間をかけて学んだ分、人に教えるときはすごくわかりやすく教えられる」と変化させられます。
「時間がかかる」というフレームは、「誰かに教えられるほどしっかりと学んだ」というフレームに変えることができるということです。
思い込みが当てはまらない例を見つける
事実ではなく、思い込みなんだ、と理解するために、思い込みが当てはまらない例を見つけることでも、不要な思い込みを変化させることができます。
「いつも失敗しかしない」と思い込んでいる場合は、本当にいつも失敗しかしていないのか、一度も成功したことはないのか、ということを確認していきます。
「いつも」ではない、「成功したこともある」というように、思い込みと一致しない例を見つけ出すことで、
単なる思い込みであることに気づけたり、具体的な改善策を発見できることがあります。
以上の方法などで、思い込みを変換することができます。ひとたびプラスの方向の思い込みが定着すれば、よりよい状態へ自然と成長することができます。、思い込みが真実ではないと認識させたり、笑いにすることで思い込みを壊す方法です。
思い込みが当てはまらない例を見つけることでも、不要な思い込みを変化させることができます。
「いつも失敗しかしない」と思い込んでいる場合は、本当にいつも失敗しかしていないのか、一度も成功したことはないのか、ということを確認していきます。
「いつも」ではない、「成功したこともある」というように、思い込みと一致しない例を見つけ出すことで、
単なる思い込みであることに気づけたり、具体的な改善策を発見できることがあります。
思い込みは良くも悪くも強力です。マイナス方向の思い込みは、願望実現を妨げてしまいますが、プラス方向の思い込みは、願望実現の手助けをしてくれる心強い味方となります。
フレームチェンジを活用したり、マイナスの思い込みが当てはまらない事例を見つけ出すなどして、プラスの思い込みへと変換していきましょう。
プラスの思い込みフィルターを作り出し、思い込み証明センサーの働きを利用して、勝手に願望が実現しやすい状態を作り上げていきましょう。
Point
マイナスの思い込みは、プラスの思い込みに変換できる。
4.願望実現を手助けする思考モデルと、感情との付き合い方。
願望実現を妨げるものはたくさんありますが、それらを解消する手助けとなる、2つのユニークな思考モデルがあります。
実現に向かってまっすぐ進むための、エルドラドモデル。
エルドラドとは、大航海時代にアンデスの奥地に存在するとされた、伝説の黄金郷です。
この黄金郷から名前をとったエルドラドモデルは、
この願望はすごく魅力的で、絶対に価値があるものである。
ということを再確認するための思考モデルです。思考する際の例としては、
1.願望を具体的にする
2.実現したい理由、実現すると具体的にどうなるか、を考える
3.実現している姿を、五感を使い具体的にイメージする。その際、可能な限り魅力的(自分にとって豪華)なイメージをする。
4.すでに実現していると思い込み、そこから今現在の自分の位置を確認してみる
という流れになります。実現させる価値が絶対にある、と確信が持てることで、ブレずにまっすぐ進んでいけるようになります。
ピンチをチャンスに変える、アルケミーモデル。
障害に思えることや、困難に思えることも、根本には何かしらの肯定的な意図があります。
その肯定的な意図に気づくことで、泥を黄金に変えるアルケミー(錬金術)のごとく、
ピンチをチャンスに変化させるための思考モデルが、アルケミーモデルです。
アルケミーモデルの活用例は次の通りです。
1.実現を妨げている障害(物理的、精神的なものすべて)のイメージのサイズを小さくして、肯定的に感じられるようにイメージに変化を加える
2.普段使っている否定的な言葉に気づき、障害だと感じているものの意味づけを変える
障害が発生した場合は、単に障害と認識するのではなく、見方を変えたり、意味づけを変えてみたりすることが大切です。
感情と上手に付き合う。
実現を妨げる障害の一つに、感情、があります。代表的なネガティブな感情と、それに対する対処法をまとめていきます。
失敗への恐れ
変化を求めながらも、無意識に現状を維持しようとする本能が働き、恐れや不安を感じることがあります。変化を求めて行動するということは、失敗をたくさん経験するということですので、
失敗は成功するために必須の経験、と理解しましょう。
失敗という経験は財産だ、と受け止めるクセを身につけましょう。
評価や批判への恐れ
他人の評価が気になってしまったり、みんなと同じことをしていないと不安に感じる、ということがあります。ですが、
全ての人に評価され、全ての人を満足させることは不可能です。
全ての人に好まれることが不可能な以上、何かしらの批判は発生しますし、喜ばしくない評価を受けることは、ある意味当たり前ということです。周りの目を気にしすぎる必要はないということを理解しましょう。
無価値感や自信のなさ
セルフイメージが低く、自分のあり方(Being)に価値を感じられないと、何をしても(Doing)、何を手に入れても(Having)、満足感を得られることはありません。
日常的に自分にかけている言葉や、見ているイメージ、抱いている思い込みを、
意識して肯定的なものに変化させ、セルフイメージを高めることが大切です。
日々、自分自身(Being)や、行ったこと(Doing)を認めるように心がけることで、セルフイメージを高めることができます。
やる気が出ない
やるきが出ない要因は色々考えられますが、やる気を起こすための方法はいくつもあります。
●願望が実現した状態をイメージする
願望が心からのものである場合、
実現している状態をイメージするだけ
でやる気が出てくることがあります。
●やる気が出る状態を認識する
やる気がある状態をちゃんと把握し、
どのような要因があるとやる気が出るかを認識しましょう。
要因が把握できたら、やる気が出る状態を自ら作り出していきましょう。
●やることを仕分ける
好きなこと、得意なこと、嫌いなこと、苦手なこと、というように、自分のやることを仕分けてみましょう。
苦手なことや嫌いなことは誰かに頼めないか、
頼めない場合はアルケミーモデルなどを活用して、
肯定的に意味づけを変えられないか、
これらのことを考えましょう。
完璧主義
完璧にやらなければならないという感情が強い場合、いつまでたっても自分に満足できず、結局は先延ばししてしまう傾向があります。基本的に、
完璧にやるというのは一生無理、と理解しましょう。
人間は成長し続ける生き物なので、いつまでたっても終わりがありません。昨日の完璧が今日の完璧とは限らないのです。
その時できることをやり、経験として蓄積し、それをもとにさらに成長する、ということが重要であり、常に完璧を求めるあまり、結局何もできないのでは意味がありません。
感情とは人を害するためにあるわけではなく、思い込みと同様に、何かしらの肯定的な意図があって存在しています。そう思うこと、感じることで、良くも悪くも自分を保っている場合が多いのです。
まずは感情と向き合い、その感情の質を変化させることが重要です。
感情を見て見ぬ振りをすることは難しく、大抵は心に蓄積されていきます。なので、紛らわすのではなく、思考モデルなどを活用して質を変え、自分の願望にとって肯定的なものへと変換していきましょう。
Point
感情や思い込みは、紛らわしても意味がないので、質を変えることが大切。
5.願望実現のための行動計画の立て方。
イメージするだけで叶うとありますが、イメージしていきなり叶うというわけではありません。実現化までの道筋を計画立てて行うことが必要です。
計画を立てることで、「絶対に実現する」と強く思えるようにもなります。
目指す状態と現状との違いを認識する。
まずは願望を実現した状態をイメージしましょう。そして、
イメージ上の実現している自分と、現状の自分にはどのような違いがあるかを考えましょう。
実現のためには、まずこの2つの状態の違いを認識することが大切です。
現状に不足があるのであれば補う必要がありますし、無駄があるのであれば修正していかなければなりません。
このように、ゴールから逆算して、現状の自分にとって必要なことを判断していきましょう。
具体的な行動計画を立てる際のポイント。
実現したい願望をしっかりと認識し、そのために何をするのがベストなのかを考えることが非常に重要です。
できるだけ具体的に計画を立て、実現して当たり前と思える状態を常に保ちましょう。そのような計画を立てる際に、に確認すべきポイントをまとめていきます。
●いつ/どこで/誰と/どのように
願望を強くイメージするために、
いつ、どこで、誰と、どのように
実現したいかをしっかりと考えましょう。
●なぜ実現したいのか
抱いている願望が、心から本当に願っているものかどうかを確認するために、
実現したい理由をしっかりと考えましょう。
この部分が曖昧な場合は、実際は心から願っていないのかもしれません。
●実現したらどうなるか
願望が実現したら、自分にいったいどのような影響があるのかを考えましょう。五感を駆使し、
リアルにイメージするほど、脳の勘違いを利用することができます。
●周りにどのような影響をあたえるか
さらに強くイメージするために、自分ごととしてだけ捉えるのではなく、実現した際に周りに与える影響についても考えましょう。自分の願望だとしても、
実現したら何かしら周りの人に良い影響を与えるものです。
また、周りの人にメリットを与えられる願望であるならば、実現の手助け(応援)をしてもらえるかもしれません。
●短期(1~2週間)、中期(1~数ヶ月)、長期(最終達成時期)のゴールを決める
それぞれ何をいつまでにどのようにやるか、ということを決めましょう。期限を設けることで、先延ばしを防ぐことができます。
また、願望実現のためにはプラス方向の思い込みの力を利用することも大切なので、短期目標、中期目標と、細かくゴールを設定することで、
最終ゴールまでに、いくつも達成感を感じられる仕掛けを用意しておく、
ことも大切です。仕掛けは多い方が成功体験が増えますので、1日、1週間、1ヵ月、と細かい分け方で、「いついつまでに〇〇という状態になる」と、具体的にゴールを設定していきましょう。
●起こり得るリスクやチャレンジ
実現のために動く際に、どのようなリスクが起こり得て、どのようなチャレンジが必要になり得るか、をできるかぎり想定しておき、それぞれの対処法も考えておきましょう。
リスクやチャレンジはハードルではありますが、むしろそれさえ超えてしまえば、あとは成功しかありません。つまり、
リスクやチャレンジは成功途中のイベント
であり、イベントの内容さえ把握しておけば、対処もできるということです。
感情とは人を害するためにあるわけではなく、思い込みと同様に、何かしらの肯定的な意図があって存在しています。そう思うこと、感じることで、良くも悪くも自分を保っている場合が多いのです。
まずは感情と向き合い、その感情の質を変化させることが重要です。
感情を見て見ぬ振りをすることは難しく、大抵は心に蓄積されていきます。なので、紛らわすのではなく、思考モデルなどを活用して質を変え、自分の願望にとって肯定的なものへと変換していきましょう。
Point
感情や思い込みは
6.あと少し、を後押ししてくれるその他の要素。
今までお伝えしてきた要素が基本であり、願望実現のために必要なことです。もしも、あと少し頑張れない、いざというときに迷いが生じる、ということが起こる際は、これからお伝えする方法を活用して考えてみましょう。
外から力を借りる。自分の周りにいる強力なサポーター。
願望を一緒に実現させようとしてくれる仲間や、そばで支えてくれる家族や友人など、あなたにとって助けとなってくれるサポーターがいるはずです。
直接的に手助けをしてくれないにしても、相談にのってくれたり、その人の知識や経験から学べることがあったりと、間接的に自分の助けになることはたくさんあります。直接的ではないため、なかなか自分では気づきづらいですが、
何事も一人で頑張るのではなく、自分の周りで力になってくれそうな人たちを、しっかりと認識しましょう。
そういう人たちをサポーターリストとして常に意識できるようにまとめておくことで、壁にぶつかったときや、挫折しかかった時に、自分の外から力(リソース)を借りるという選択肢が浮かびやすくなります。
願望実現のためには、自分以外の力を上手に活用することも大切です。
問題解決は、「なぜ」ではなく、「どうすれば」思考。
問題やトラブルが生じた際は、どうすれば問題を解決し、先に進めるのか、と考えましょう。
このとき、なぜ問題が起きたのか、と原因究明の思考になるのではなく、問題を解決するために、どうすれば解決できるか、と考えることが重要です。
「なぜ」という思考だと、マイナスイメージが脳に働きかけてしまうため、「どうすれば」という思考でプラスイメージが脳に働きかけるようにしましょう。
そうすることで、脳のセンサーも、問題解決のための情報収集や意識づけを積極的に行うようになります。
立ち上がるためには、リスクを回避したいという人間の本能を利用する。
くじけそうになったときや、どうしてもモチベーションが上がらないときは、リスクを回避したいという人間の本能を逆に利用しましょう。
目先のレベルでリスク回避を願うと、マイナスの思い込みが強くなり、願望実現を妨げる要因となりますが、自分の価値基準、あり方(Being)について考えることで、もう一度立ち上がることができるようになります。
願望を実現できずに一生を終えたら。自分のあり方を実現できなかったら。Beingに関するリスクは、もっとも恐れるべきことです。
自分のあり方が否定されるリスクは、回避したいと強く反応が出ます。
同時に、改めて自分の願望について考えることで、自然と頑張ろうと思えているはずです。もしこれでも頑張れない場合は、心からの願望ではない可能性がありますので、今一度願望をしっかりと確認しましょう。
気合いや根性が大事だとか、意志の弱さが問題だとか言われることが多いですが、そういう根性論で解決しようとするのではなく、気づき、学び、見方を変える、ことであと一歩を踏み出していきましょう。
最も重要なのは気づくことです。
周りの協力者に気づき、問題解決の考え方に気づき、自分のあり方に気づくことが、あと一歩を後押ししてくれます。
寝ないで頑張る、我慢して頑張る、というような、肉体的にも精神的にも負担の大きいものに根性を発揮するぐらいであれば、絶対に願望が叶うまで諦めない、とプラスの方向で根性を発揮していきましょう。
Point
周りも、考え方も、本能さえも活用する
7.日常的に行うと願望が近づいてくる。願望実現のための習慣。
行動は習慣をつくり、習慣は性格を形成する。と原始仏典の一説にあるように、習慣化することで、願望実現可能性をさらに上げてくれるものがたくさんあります。
ネガティブから脱却するための習慣。
どんな人であろうと、どんなに注意していようと、ネガティブな気持ちになってしまうことはあるかと思います。そんな状態から抜け出すために効果的な習慣があります。
見方を変える
ネガティブな状態では、自分自身の否定的な目線、周りからの否定的な目線、が見方の中心となってしまいがちです。周りからの目線については、実際にどうかはわからないにも関わらず、自分で勝手に思い込んでしまっていることも多々あります。
そんなときは、
物事の見方を変えて、客観的に傍観してみるようにしましょう。
いくらネガティブな事象があったとしても、少なからずポジティブな要素があるものです。ネガティブなことばかりに注目する見方をするのではなく、客観的な見方をすることで、ネガティブ、ポジティブどちらの要素もちゃんと認識するようにしましょう。
そうすることで、「じゃあ次はどうする」と次につながる経験として受け止めることができます。
想像の自分や、成功している人を真似る
脳は想像と現実の区別がつきません。その特徴を利用しましょう。
理想の自分の姿や、自分の願望をすでに叶えている人の真似をすることも多々ありま
願望が実現している想像上の自分や、自分の願望をすでに叶えている人の行動や言動を、真似するようにしましょう。
そうすることで、イメージの力をさらに強くすることができます。
マッチョになりたい人はマッチョの人の写真を見たり、マッチョの人の食生活を真似するといった感じです。
どんどん真似して、願望実現可能性を高めていきましょう。
執着しすぎない
願望が実現されている状態を強くイメージすることは重要なんですが、場合によっては、それをすることで逆に願望が実現されていない現状を強くイメージしてしまうこともあるかもしれません。
もしそのような事態に陥ったら、
一旦イメージすることをやめてしまいましょう。
大切なのは前向きな状態を保って進んでいくことです。願望をイメージするという行動のせいで前向きになれないのであれば、執着を一旦忘れてしまうことも効果的です。
一旦忘れたとしても、心からの願望であれば、良きタイミングで自然と思い出されます。
ポジティブを保つための習慣。
いつでも望ましい状態に自分を保つことができれば、様々な面でパフォーマンスの向上が期待できます。
スイッチの場所を把握する
スポーツ選手などは試合の前に、毎回決まった行動をすることが多いと言われています。聞く曲が決まっていたり、必ず決まった回数ジャンプするなど、パフォーマンスを上げるために各々決まった行動をして自分にスイッチをいれます。
スポーツ選手に限らず、
自分のスイッチの場所を把握し、意識的にスイッチを入れられるようにすると、習慣化やモチベーション維持がかなり楽になります。
この曲を聞くとやる気が出る、この場所に行くと体を動かしたくなる、というように、自分の内にある要素ではなく、外にある要素によってスイッチが働くものを把握しましょう。
匂いや音、場所や人、とスイッチになり得る要素はたくさんあります。自分に強く働きかけてくる要素を把握し、日常的に活用していきましょう。
8つのパワーを活用する
心の持ちようで、ポジティブなエネルギーを増大することができます。パワーを発揮しやすい8つの心の持ち方を紹介します。
●利他の心
他人に利益をもたらすことは、自分に利益をもたらします。自己犠牲の精神ではなく、相互利益の精神を持つことで、自分の願望が他人の利益にもつながるため、多くの協力を得られるようになります。
●感謝の心
足りない部分に目をやるのではなく、ただそこにあることへの感謝をすることで、セロトニンなどの幸福ホルモンと呼ばれる物質が脳内で放出されます。不安な状態よりも、幸福な状態の方がパフォーマンスは上がります。
●好奇心
興味を惹かれるということは、心を惹かれるということです。自分の内から湧き上がる好奇心は、他の誰でもなく、自分だからこそ湧き上がってきたものです。自分の好奇心に従い、どんどんやってみましょう。それが大きな経験となります。
●情熱
情熱を感じられるものは、自分にとっての使命のようなものです。情熱が積極性を生み、願望実現化のための大きなエネルギーとなります。
●柔軟な心
柔軟にあらゆる物事を受け止めることができれば、様々な視点から考えることができるようになります。何が必要で、さらによくするためにはどうすればいいのか、ということを考える際に、自分らしく落ち着いて、ベストな対応ができるようになります。
●信頼する心
自分だけではなく、相手を信じることで、現実に変化を起こしやすくなります。相手を信じる際は、Doing(やっていること)やHaving(持っているもの)に対して意識を向けるのではなく、Being(本質的なあり方)に注目しましょう。そうすることで、確固たる信頼関係を築けるようになります。
●楽しみ、笑う心
楽しみながら行うことで、不要な思い込みがなくなることがあります。また、人は楽しそうな場所に集まりやすいという習性があるため、楽しそうにしていると人が集まってきて、人が集まることでさらに願いが叶いやすい状態が出来上がっていきます。
●愛と思いやり
利他の心や、感謝の心など全てそうですが、愛を持って身の回りのことと向き合っていきましょう。愛や思いやりを持って行動していれば、周りの人に必ず伝わり、知らず知らずのうちに、周りに変化が起こっていきます。
なぜ実現したいのかを、問いかけ続ける
なかなか現実にならないことや、ちょっとした失敗や後退に一喜一憂する必要はありません。
本質は、何をするではなく、何を得るでもなく、なぜしたいのか、です。
なぜ実現したいのかを常に問いかけることで、自分は何が叶えられて、叶うとどうなるのか、という本質的な部分を意識することができるようになります。
何事も習慣にすることで、楽に行えるようになります。スイッチを入れるのではなく、スイッチが入る状態を知っておき、その状態に身を置く、というように、
感情や環境を上手に活用していきましょう。
人間は感情で動く生き物です。望まない感情に支配されてしまうこともあります。自分が望まない感情に支配されてしまうのではなく、見方を変えたり、成功者の真似をしたりと、ポジティブなイメージをして、好ましい感情で自分を満たしていきましょう。
Point
ネガティブもポジティブも、習慣でコントロールできる
以上が 、白石由利奈氏著「なぜイメージするだけで叶うのか?」を読んで学んだことです。最後に本書の一節を引用し、この記事を締めたいと思います。
思考は言葉となってあらわれます。言葉は行動となってあらわれます。行動は習慣をつくり、習慣は、性格を形成します。ですから、思考とその方法を気遣いを持って観察しましょう。そして、それを愛から起こさせ、あらゆる存在に対しての気遣いから生まれさせましょう。私たちは自分が考えたようになるのです。
原始仏典 法句経 なぜイメージするだけで叶うのか?