STOP時間泥棒。「時間」は大事な貴重品【1440分の使い方 成功者たちの時間管理15の秘訣 -Kevin Kruse- 】
2017年8月に発行された、Kevin Kruse(ケビン・クルーズ)氏著の【1440分の使い方 成功者たちの時間管理15の秘訣】の要約記事です。
本書のタイトルでもある「1440分」とは「1日=24時間」を「分」に変換したものです。1日を1440分と「分」単位で捉え、時間という貴重品を無駄なく活用することの重要性と方法が書かれています。起業家、億万長者、オリンピック選手、オールAの学生たち288人への取材と調査研究によって明らかになった生産性向上の秘訣を知り、自身の生活に活用していきましょう。
「1440分の使い方」から得られる知識
1.日常的に他人に盗まれている。時間は最も重要な貴重品。
2.優先順位と仕組みが重要。時間管理成功の秘訣。
3.日常にはびこる時間泥棒たちと、撃退方法。
4.エネルギーは時間管理の究極の秘訣。時間は増やせないがエネルギーは増やせる。
あなたの人生を変える魔法の数字、それが1440だ。
Kevin Kruse 1440分の使い方
- 1.日常的に他人に盗まれてる。時間は最も重要な貴重品。
- 2.優先順位と仕組みが重要。時間管理成功の秘訣。
- 3.日常にはびこる時間泥棒たちと、撃退方法。
- 4.エネルギーは時間管理の究極の秘訣。時間は増やせないがエネルギーは増やせる。
1.日常的に他人に盗まれてる。時間は最も重要な貴重品。
時間の重要性を感じている人は多いかもしれませんが、その思いを実際に生活の中で実行に移せている人は少ないのではないでしょうか?お金には常に気を配り、財布を置きっ放しにするなんてことはなく、クレジットカードを簡単に人に貸すことはないと思います。しかしこれが時間となるとどうでしょう?突然かかってくる電話、同僚からの相談、参加する意味のない会議。時間は貴重品であるにも関わらず、我々はあまりに無頓着で、他人に盗まれ続けています。お金とは違い増やすことができない時間。お金以上に時間に気を配り、自分の時間を大事にしましょう。
24でも86400でもなく1440が認識に変化を起こす
1日は24時間であり、1440分であり、86400秒です。当然ですが、24時間は1時間毎に数字が1減り、1440分は1分毎に数字が1減り、86400秒は1秒毎に数字が1減ります。3つの単位がありますが、本書では1440分と認識することが適していると書かれています。
あまりにも簡単に過ぎ去ってしまう「秒」と長すぎる「時間」
1秒でどんなことができるでしょうか。さすがに1秒ではあまりに短すぎて、何かを行うことは難しいです。では1時間はどうでしょうか。適している場合もありますが、生活の多くのことには長すぎます。つまり、
「秒」は短く「時間」は長い。
と考えられます。
最高にちょうどいい「分」
1分ではどんなことができるでしょうか。例えば、腹筋30回、植物に水をあげる、猫をかわいがる、水を一杯飲む、ストレッチ、などできることはたくさんあります。
我々の基本的な生活に最も適しているのは「分」でスケジュールを決めることです。
秒単位ではできなく、時間単位では長すぎるという行動が多々あります。つまり基本的な生活を我々は分単位で行うことが多いのです。
大体の人は分単位で生活を行うことが多いはずです。長時間かかるようなことでも、実行、休憩、再開、休憩、といったように、全体では時間単位でも、細かく見ると分単位のことが多いでしょう。
24はなかなか減らないが、1440は目に見えて減っていきます。
6時間睡眠が基準の人では、実質1440(24時間)- 360(6時間)= 1080分が活動可能の「時間」となります。1時間経ってやっと1減る時間単位ではなく、1分ですぐ1減る分単位で時間を捉えることで、時間の重要性を強く認識し、「時間」という貴重品を大事に使っていきましょう。
Point
時間は、最も貴重かつ最も希少な資源。
2.優先順位と仕組みが重要。時間管理成功の秘訣。
ミズーリ大学セントルイス校のテレーズ・メイカン教授は、時間管理、生産性、ストレスに関する調査より、それらを特に大きく左右するのは優先順位と仕組み(時間管理に関するテクニックや先述の実行方法など)であることを発見しています。
最も重要なタスク=MIT(Most Important Task)の把握が時間管理の鍵
日々のMITを明確にすることは、生産性だけでなく幸福感および気力の向上にもつながるという研究結果が出ています。
MIT把握のための、理解、洗い出し、特定
目標設定とは、
自分にとって最も重要なことを理解し、その達成に目下最大の影響を与えるであろう活動を特定することです。
具体的な目標を決め、その達成につながる活動を洗い出し、その中でも今この瞬間に最も重要な活動を特定することが重要です。
MITはゴールデンタイムに実行
デューク大学のダン・アリエリー教授(心理学・行動経済学)によると、ほとんどの人は完全に目覚めてからの2時間が最も生産的で、最も認知機能が高まるといわれています。目標達成のために最も重要であることは、最も生産的であるゴールデンタイムに行うのがいいでしょう。
1日の始めは、最も認知能力が高まる時間帯であり、想定外の用事や緊急事態が発生しにくい時間帯です。
この時間帯を活用しない手はありません。
MITを把握し、ゴールデンタイムに実行する。
これが時間を無駄にしない第一歩です。
Point
最も重要なタスク(MIT)を特定し、毎日何よりも先に取り組む。
問題だらけ。ToDoリストは今すぐやめる
ToDoリストを利用している人は多いと思います。しかし研究結果により様々な問題があるという事実が判明しています。
ToDoリストの項目の41%は永遠に終わらない
ToDoリストにはクリアしたいタスクを書き連ねるだけで、具体的な計画がありません。
数分しかかからないタスクと、長時間かかるタスクが混在してしまいます。
そのため、リストを取り出した際は、「すぐ片付く項目」「簡単な項目」を選ぶことが多くなります。
ToDoリストの項目の50%は当日に完了し、その多くは書き留めてから1時間以内に完了する
ToDoリストをつくると、
重要なタスクよりも、急ぎのタスクに飛びつきやすくなります。
そのため重要なタスクが後回しになってしまうのです。
ToDoリストはツァイガルニク効果を引き起こし、ストレスの原因になる
ツァイガルニク効果とは、「人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象」のことです。ToDoリストは、
対処すべきタスクがまだたくさん残っていることを絶えず意識させてしまいます。
そのため、意識せずとも未完タスクが頭に浮かんできてしまいます。そんな状態では十分な休息をとることも難しいですし、MIT(最も重要なタスク)に集中することも難しいでしょう。
研究により上記のことが判明しています。つまり、
ToDoリストは消えることのないWish(願い)リスト。
であると本書では位置付けられています。願っているだけでは叶いません。
人生の優先順位が見えてくる、スケジュールの立て方
ではどのように日々のタスクを管理すればいいでしょうか。フロリダ州立大学の研究では、タスクはToDoリストではなくスケジュール表に入れる、実行する日程を決める、たったこれだけのことで、タスクの完了未完了に関わらずツァイガルニク効果を克服できるということが判明しています。ToDoリストは今すぐやめて、スケジュール表を使って生活を管理しましょう。その上で重要な考え方がいくつかあります。
タイムブロッキングする
これは時間管理の手法の一つです。
重要なことはすべてやる時間を決め、スケジュール表に入れておきましょう。
というのがタイムブロッキングという手法です。たとえば、毎日30分のトレーニングをすると決めたら、スケジュール表に記入するということです。ToDoリストは無限ですが、1日のスケジュール表には限りがあります。優先順位を明確にするためにも、限りあるスケジュール表にMITを記入していきましょう。
ゴールデンタイムを活用
どんなにスケジュールをコントロールしようとしても、想定外の用事が発生することはよくあります。この事態をなくすことは難しいです。だからこそ、
重要な項目はできるだけ早い時間帯を割り当てましょう。
ことが大事です。先に書いたゴールデンタイム(目覚めてからの2時間ほど)は緊急の用事が発生しにくく、認知能力が最も高まる時間帯なので、活用しない手はありません。
予定は診察の予約と認識
ほとんどの人は自分で決めた予定をあまりにも簡単に覆してしまいます。しかし、優先度が高いものを予定に入れているのですから、基本的には予定を優先すべきです。そのために、
タイムブロッキングした予定は、診察の予約だと捉えましょう。
診察時間に遅刻してもいい、とはあまり思いませんよね。予定外の出来事が発生しても、「歯医者の予約があるから、別日にしよう」とタイムブロッキングした予定を優先するはずです。つまりそれほど予定は重要だということです。タイムブロッキングした全ての「予定」は「予約」だと思いましょう。
予定を入れないバッファタイムを予定
いくら予定は診察の予約と捉えるといっても、どうしたって予定外のことは起こりますし、緊急のことも起こります。そういったことにMITを邪魔されないためにも、予定を入れないバッファタイムを予定しましょう。
バッファタイムをスケジュールに組み込み、予定外への対応はバッファタイムを利用しましょう。
バッファタイムがスケジュールに組み込まれていれば、予定外のことが起きた場合に、MITを邪魔することなく対応することができます。
ToDoリストではなくスケジュール表を使ってタイムブロックし、MITで溢れた週間スケジュールを見ると、
人生の優先順位が見えるようになります。
タイムブロッキングをし、ゴールデンタイムを活用し、予定ではなく予約と捉え、バッファタイムを用意する。これが時間という貴重品を無駄遣いしないための秘訣です。
Point
ToDoリストではなく、スケジュール表を見て動く。
3.日常にはびこる時間泥棒たちと、撃退方法。
先延ばし癖を克服するために原因を理解しておく必要があります。先延ばしの原因は、「モチベーションが十分ではない」「未来の理想より現在の願望の方が強力であることを認識せずに、目標設定やタスクの洗い出しを行なっている」と考えられます。原因を理解した上で、先延ばし癖の克服方法を見ていきましょう。
怠慢が原因ではない。先延ばし癖の原因と対策。
先延ばし癖を克服するために原因を理解しておく必要があります。先延ばしの原因は、「モチベーションが十分ではない」「未来の理想より現在の願望の方が強力であることを認識せずに、目標設定やタスクの洗い出しを行なっている」と考えられます。原因を理解した上で、先延ばし癖の克服方法を見ていきましょう。。
タイムトラベルして予測する
人間は「時間不整合性(時間が経過することで、価値観が変わってしまい、行動との整合性がなくなる事象)」のある生き物であり、これが先延ばし癖の背景にあります。
今この瞬間に最良の自分でいることは、想像しているよりもはるかに難しいです。
つまり未来の自分は今の自分を妨害してきます。先延ばし克服のためには、
未来の自分はどのような手段で妨害してくるかを予測し、対策を考えておきましょう。
ことが重要です。未来の自分に打ち勝つために、タイムトラベルして作戦を考えましょう。
先延ばしはスケジュールを狂わせる原因であり、結果として時間の浪費に繋がります。
未来の自分に打ち克つ方法を見つけましょう。
未来の自分は正しい行動をとると信用できる相手ではありません。どのようにして妨害してくるかを予測し、対策を考えておきましょう。
Evidence
現在思考バイアス:未来の利益よりも目先の利益を優先してしまう心理のこと。トレーニングをすれば、3ヶ月後に健康的な肉体が手に入るということは理解しているが、とりあえず今はポテチが食べたい、といったように、先の利益ではなく目の前の利益を優先してしまう心理傾向。
切り上げないとキリがない。永遠に終わらない「やるべきこと」と「やったほうがいいこと」
忙しくて自分の好きなことをする時間が作れない、という話はよく聞きます。ですが、それは優先順位づけの問題にすぎません。自分にとって本当に重要なことであれば、スケジュール表に書き入れ、生活に組み入れることはできるはずです。
終わらせるのではなく、切り上げる
やるべきことは常にいくらでもありますし、やったほうがいいことはさらにたくさんあります。仕事でやるべきことはたくさんありますし、家庭内でやるべきこともたくさんあるでしょう。
適当なところで切り上げる習慣を身につけなくては、「やるべきこと」からいつまでも離れられません。
やるべきことは常にいくらでもあるので、切り上げる習慣を身につけない限り時間を管理することはできません。
重要なことは、
切り上げないと、終われない。
という事実を認識し、切り上げる習慣を身に付けることです。
労働時間の3割も奪われている、メッセージという時間泥棒。
マッキンゼー国際研究所の調査によると、オフィスワーカーは1日あたり2.6時間をメールに費やしており、これは週間労働時間である40時間の33%に相当する、という結果が出ています。(あまり守られていないが、労働基準法に基づいた労働時間は、1日8時間、週40時間以下と決められている。)ここで言われるメールには、SNSによるメッセージのやりとりも含まれます。私たちはメッセージのやりとりによって1日2.6時間=156分も奪われ続けているのです。大切な時間を取り戻すために、以下の方法が効果的です。
3210方式
メール(メッセージも含む)の対応もスケジュールに組み込んでしまえば、時間を無駄に浪費せずに済みます。
日に3回(朝、昼、晩)メールを確認し、その都度21分で対応し、受信箱を毎回0(未確認のものをなくす)にする。
という各アクションの数字を取って3210方式といいます。朝、昼、晩、に21分ずつメール対応というスケジュールを組み、そこで完了させましょう。
CCやBCC、転送はよく考えてから
ロンドンを拠点とする電力会社インターナショナル・パワーによると、「メール転送やCCの追加をする前に、もう一度よく考える」よう幹部たちに促したところ、メールの通信量が54%も減少したそうです。
情報共有のつもりの転送やCCが、情報過多の要因になりえます。
本当に共有する必要があるのか、CCにあの人を入れる必要があるのか、をよく考えましょう。送信するメールを減らせば、受診するメールも減らせます。
なるべく5行、できれば3行
自分の時間も相手の時間も節約するために、メールはなるべく短くしましょう。
短いことは無礼ではなく、相手の時間を尊重している証拠です。
最初は難しいかもしれませんが、メールを短くするように心がけトレーニングを続けましょう。余計なことは省いて最も革新的なポイントだけを伝えることができれば、自分と相手、2人分の貴重な時間を節約できます。
これらの方法が、メールに時間を奪われないために有効です。まとめると、
3210方式で対応し、必要な相手にだけ送り、3~5行の短いメッセージにする。
ということです。この方法を活用し、奪われている時間を取り戻しましょう。
35%の人が無駄だと感じている、会議や話し合い。
プロジェクト管理システムを提供するクラリゼンが2015年に行った調査によると、35%の人が週次の進捗会議は時間の無駄と回答したとあります。もし10人が無駄な会議に1時間参加していた場合、10×1=10時間が無駄になり、10時間分の生産力が無駄になったことになります。そんなことにならないように、会議や話し合いについてまとめていきます。
適している人とだけ話す
とりあえずみんなで話し合おう、と会議の議題に適していない人まで参加させているケースをよく目にします。その人たちにとっては、
会議の時間がまるまる無駄な時間になってしまいます。
そもそも自分が会議の議題に適していないと思うのであれば、会議のお誘いは断ってしまいましょう。自分にとっても、会議参加者にとっても時間の節約になります。
重大な論点にだけ時間をかける
組織は些細な論点に最も時間をかけ、重要な論点に最も時間をかけない、という説があります。つまり、重要な論点の方が大事に決まっているのに、
大抵は些細な論点に時間を使い、熱心に話し合っているのです。
重要な論点は難解なことが多く、自信を持って意見できる人が少ない場合が多いですが、些細な論点は誰もが理解していることが多く、参加者全員が意見を出すことが多い、というのが理由です。活発な議論が、必ずしも会議の目的達成につながるわけではありません。些細なことに時間を使いすぎていないか常に注意し、重要なこと集中しましょう。
Evidence
パーキンソンの凡俗(ぼんぞく)法則:シリル・ノースコート・パーキンソンが1957年に発表した、「組織は些細な物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」という主張です。
みんなで立ち会議
1999年に行われた、ある心理学者チームの調査によると、「座って行う会議は、立って行う会議よりも時間が34%長かったが、座っている方が優れた結果が出るという事実はなかった。」という結果が出ています。別の研究では、
立って行う会議の方が、協力的態度や考えの共有、主体性、独創的な問題解決力につながる。
と報告されています。立って行うだけでこれほどメリットがあるのであれば、活用しない手はありません。
会議はないに越したことはありません。複数人の生産力を一度に奪ってしまうからです。会議を安易に選択するのではなく、
他のコミュニケーション手段で、うまくいかない場合の最終手段が、会議。
と認識しましょう。会議をすることになったら、重要な論点に適した人だけを集め、立ちながら会議を行いましょう。
それって本当にMIT?すべてのYESは他へのNO。
YESのひとつひとつが、時が来れば、他のものへのNOに変わります。何かにYESと言うことは、他のものにNOと言うことだと認識しましょう。重要ではないことに時間を使うハメになり、MITに取り組む時間がなくなってしまっては元も子もありません。
YESと言うのは慎重に考えてから
仕事の依頼を安請け合いしたり、友人に誘われたからといって、自分に重要ではないことを予定に入れることは大変危険です。
1つのYESによって、常に何らかの機会が犠牲になっています。
YESは他へのNOであることを、常に頭の片隅に置いておきましょう。
難しく考えずにNOと言おう
困っている人がいたら助けよう、と言われて私たちは育ってきたので、相手のお願いに対してNOと言うのは、気持ち的に負担があると思います。しかし、何かにYESと言うことは、その分の時間を使うということなので、なにもかも応えるわけにはいきません。
リクエストにやみくもに応えると、MITのための時間がなくなります。
もっと自分に寛大になって、罪悪感など覚えずにNOと言いましょう。
友人とのプライベートな約束や、家族との約束など、自分にとって重要であれば、それもMITですから、これらを断れということではありません。そうではなく、「自分にとって重要ではないけど、頼まれたからやる」ということをやめようという話です。
当面の目標達成に役立たない誘いは、すべて断る。
YESと言うのは、自分の目標達成に関連するものだけにしましょう。
Point
1つのYESは他のすべてへのNO。
活動の80%は時間の無駄遣い。「成果の80%は20%の活動から生じる」というパレートの法則。
総売上の80%は、20%の販売員によって生み出される。総利益の80%は、20%の顧客によってもたらされる。医療費の80%は、20%の患者によって占められている。このように、「成果の80%は、全体の行動のたった20%から生まれる」というのがパレートの法則(80対20の法則とも言われます)です。つまり行動の80%はあまり成果を出していないことが多いのです。パレートの法則を適用し、日々の時間に余裕を生み出す方法をまとめていきます。
Evidence
パレートの法則:イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。
80%の成果をもたらす20%の活動を見極める
自分にとって特に重要な20%の目標や活動がわかれば、費やしている時間もストレスも減らすことができます。ダイエットが目的であれば、ダイエットのために行なっている活動の中で多くの成果を出しているであろう20%の行動を見極めましょう。ビジネスの利益を増やすことが目的であれば、顧客基盤を分析して、利益をほとんどもたらさない80%の顧客を切ることもいいかと思います。大事なことは、
たいして成果を上げない80%の活動よりも、多大な成果を上げている20%の活動に労力も時間もかけることです。
多くの成果をもたらす最も重要なことに注力し、他の「そこそこ成果を生み出すこと」はほどほどに行うか、全くやらないことで、大事な時間を無駄にせずにすみます。
少しでも利益が発生していることをやめるのは、結構勇気が必要となります。これは、損失回避の法則という「人は利益を得ることよりも、損失を回避することのほうを重視する」という心理が強く働くからです。ですが、たいして成果を上げない80%の活動をやめることで、自由に使える時間は間違いなく増えます。これは物凄い利益です。
あなたの価値を生み出す20%の時間は、どの時間だろうか?
20%の時間を見極め、残りの80%の時間を取り戻しましょう。
Point
成果の80%は、20%の活動から生じる。
週に8時間の節約ができる。ハーバードの3つの質問。
2013年にハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された、生産性に関する実験の結果によると、「知識労働者の時間の41%は、必須ではない活動、しかも個人の満足感に乏しい、他者でもできる活動に費やされている。」とあります。しかし、3つの視点から自分の活動を分析することで、1週間につき8時間もの時間を削減できるようになったという結果があります。
Q1.その活動をやめたらどうなるか
自分やコミュニティーにとって、その活動はどれだけ価値があるか?やめた場合、どんなことが起きるだろうか?と自問自答しましょう。
価値がそれほど高くなく、やめることで大した問題が生じないのであれば、今すぐやめましょう。
その活動はあなたにとって、行う価値がとても低いと考えられます。
Q2.その活動を自分にしかできないか
自分にしか行えないのか?誰かに任せることはできないか?と自問自答しましょう。
自分以外にもできることで、他の人に任せられるのであれば、自分で行う必要はありません。
個人としても組織としても、自分にしかできないことを行うことが、利益につながります。
Q3.その活動はもっと楽にできないか
もっと楽に成果をあげられないか?半分の時間しかなかったとしたら、どうやって行うだろうか?と自問自答しましょう。
より簡単に、より効率的に行える方法を常に考えましょう。
辛いことを長時間行うことに満足するのではなく、楽なことを短時間行なって、同等かそれ以上の成果をだせるような方法を考えましょう。
例外もあります。自分にとっての楽しみやこだわり、誰かに任せた方が1時間以上時間を余分に使ってしまうことなどは、自分で行なった方がいいでしょう。重要なことは、
自分の強みと情熱を活かせることに、集中的に時間を注ぐことです。
3つの質問を自問自答し、どんどん時間を節約していきましょう。
Point
やめる、任せる、楽にする。
日々の行動に小さな変化を。「一度しか触らない」ルール。
人は何度も同じことを繰り返してしまうものです。メールの場合だと、着信音が鳴るたびに差出人を確認する→メッセージを開くかどうか決める→開いた場合は返事を今するのか後にするのか決める→後にした場合、改めてメッセージを読み直す、という流れが発生し、何度もメールに触れることになります。洗濯物や掃除、資料の整理など、「何度も触れる」ケースはプライベートでもビジネスでも多々あります。このような事態をなくすために「一度しか触らない」ルールを適用することで、可能な限り最短の時間と最小の気力で物事を処理することが可能になります。
5分以内で終わる作業はすぐにやる
後でやり直すよりも、その場でやった方が時間的にも精神的にも楽なことは多々あります。
元の予定に差し障らない程度の、短い時間でできる作業なら、今すぐ行いましょう。
これをすれば、1日の最後にやり残したタスクがたくさんある、といったことはなくなるでしょう。
5分以内に終わらない作業はスケジュール化する
すぐに対処できないものは、後日対処するためにスケジュール化しておきましょう。ToDoリストではなく、
スケジュールとして管理することが重要です。
これまでも書いてきた通り、単純に「やらなければならないこと」と管理するのではなく、「○月○日○時にやること」とスケジュール化することが重要です。そうすることで、「一度しか触らない」ですむようになります。
5分以内で終わるタスクは今すぐやる、それ以外はスケジュール化する。
これが「一度しか触らない」ルールを守る方法です。
Point
一度しか触らない。
4.エネルギーは時間管理の究極の秘訣。時間は増やせないがエネルギーは増やせる。
どう頑張っても時間を操ることはできません。今日は24時間ですし、明日も24時間です。時間は増やしたくても増えないのです。時間が増やせないのではあればどうすればいいのか。結局時間管理において重要なのは、より少ないストレスで、より多くのことをこなすために、エネルギーを最大化するということです。
一波越えたら一回休む。生産性が高い人ほど休憩を取る。
エナジー・プロジェクト創業者のトニー・シュワルツの研究によると、人間は本来90分感覚で、集中力とエネルギーがともに最大の状態から、生理学的な疲労状態へ移行するとあり、終日90分間隔で短い休憩を意識的に取るよう提案しています。他にも多くの事例で生産性にとって休憩が重要であるという結果が出ています。
生産性上位10%に入る人は誰よりも休憩している
生産性で上位10%に入る従業員は、他のどの従業員と比較しても、1時間たりとも多く働いておらず、むしろ休憩を多くとっており、平均で52分働いてから17分の長い休憩をとっていた。という調査結果があります。つまり、
休憩によりエネルギーが回復し、生産性が高い状態をキープできていた。
ということです。誰よりも長く休憩し、1時間たりとも長く働かないことが、生産性を高めていたのです。
ポモドーロ・テクニック
ポモドーロ・テクニックとは、フランチェスコ・チリッロ考案の生産性向上手法です。1.25分を1ポモドーロとし、やるべきタスクを1ポモドーロ刻み(25分毎)に分ける。
2.25分後に5分間の休憩を入れる。
3.4ポモドーロ毎(2時間毎)に30分以上の長い休憩を取る。
4.1~3の繰り返し。
という手法です。こちらも、
休憩によるエネルギー回復の重要性が表れています。
こまめに息抜きをし、生産性の回復と維持をしていきましょう。
25分、52分、90分と違いはあれど、いずれの場合も、休憩をこまめに入れることが重要です。
生産性とは、時間の問題ではなくエネルギーと集中力の問題です。
だからこそ、こまめな休憩でエネルギーを回復させることが重要なのです。
Point
休憩をこまめにとることが生産性向上の秘訣。
以上が 、Kevin Kruse氏著「1440分の使い方 成功者たちの時間管理15の秘訣」の要約です。最後に本書の一節を引用し、この記事を締めたいと思います。
朝目が覚めたら、頭の片隅で「1440、1439、1438」とカウントダウンを始めよう。これで、大成功した人々の習慣を身につけるのがとても楽になるはずだ。
毎日1440分を実感できるようになれば、どんな人生が待っているだろう?Kevin Kruse 1440分の使い方