男女のコミュニケーションは異文化交流【男女脳戦略。 -DaiGo- 】
2014年10月に発行された、メンタリストDaiGo氏著の【男女脳戦略。男にはデータを、女にはイメージを売れ】の要約記事です。
本書では、脳の物理的な構造の違いにより、男性脳女性脳というそれぞれ全く異なる特徴があることが紹介されています。自分と相手の脳の性別を把握することで起こる様々なメリットについて書かれています。男性脳のお客さんが思わず買ってしまう接客方法、女性脳の上司が認めてくれるプレゼンの仕方、男女のすれ違いを防ぐ会話の仕方など、私生活やビジネスシーンで大いに活用することができます。
「男女脳戦略。」から得られる知識
1.見た目の性別と脳の性別は違うかもしれない。男性脳女性脳の見分け方
2.これだけ違うんだったらすれ違って当然。男性脳女性脳それぞれの特徴
3.それぞれの特徴を理解すればもうすれ違わない。男性脳女性脳別のコミュニケーション方法
4.無駄な努力はさよならばいばい。脳の性別を活用したマーケティング・セールス方法
男女脳戦略で用いるのは男女の性差(ジェンダー)であり、人間が勝手に 決めた指標などではなく、男女という神が決めた普遍的な指標を用いている
メンタリスト DaiGo. 男女脳戦略。
- 1.見た目の性別と脳の性別は違うかもしれない。男性脳女性脳の見分け方
- 2.これだけ違うんだったらすれ違って当然。男性脳女性脳それぞれの特徴
- 3.それぞれの特徴を理解すればもうすれ違わない。男性脳女性脳別のコミュニケーション方法
- 4.無駄な努力はさよならばいばい。脳の性別を活用したマーケティング・セールス方法
1.見た目の性別と脳の性別は違うかもしれない。男性脳女性脳の見分け方
男性の15%が女性脳、女性の10%が男性脳という医学的報告があります。つまり男性は男性脳、女性は女性脳という単純な話ではないということです。自分の脳がどちらの性別なのかをチェックする方法がいくつかあります。まずは自分の脳の性別を確認しましょう。
自分をチェックする
脳の性別をチェックする、世界で一番シンプルな方法があります。
目の前に右手を出してください。あなたは次のどちらですか?
A.薬指の方が人差し指よりも長い
B.人差し指の方が薬指よりも長い、もしくはほぼ同じ
Aの人は男性脳、Bの人は女性脳です。
Evidence
母親のお腹の中にいるときに、男性ホルモン(テストステロン)を大量に浴びた胎児は薬指が長く、浴びなかった胎児は人差し指が長い、もしくは同じぐらいになります。イギリスの心理学者、ジョン・マニング氏を中心に行われた研究で、一般的には男性ホルモンを大量に浴びた胎児は男性脳タイプになり、浴びなかった胎児は女性脳タイプになるという結果が出ています。
他人をチェックする
仲の良い人であれば指の長さを確認することも簡単ですが、初対面や取引先の人ではなかなか難しかったりします。そんなときは、相手が取る日常の行動や言動から、脳の性別をチェックしてみましょう。
部屋と持ち物の片付け具合を確認する
男性脳:カバンやPCのデスクトップは整理されているが、部屋はごちゃごちゃ
女性脳:部屋は整理されているが、カバンやPCのデスクトップはごちゃごちゃ
好みの色を確認する
男性脳:モノクロなものを好む
女性脳:カラフルなものを好む
道を聞いてみる
男性脳:距離や方角といった情報をメインに説明する
女性脳:目印になるお店や建物をメインに説明する
気になるポイントを確認する
男性脳:機能面などのスペックを気にする
女性脳:どんな人が使っているのか、利用するとどんなイメージをもたれるかを気にする
笑いの取り方を確認する
男性脳:他人をいじって笑いを取る傾向が高い
女性脳:自分の失敗談など、自虐で笑いを取る傾向が高い
主語から読み取る
男性脳:主語が「私」である傾向が高く、聞いている時のリアクションが少ない
女性脳:主語が「私たち」である傾向が高く、聞いている時にリアクションを取る
といったチェックが効果的です。完全に二極化できるわけではなく、笑いの取り方は男性脳だけど、会話の仕方は女性脳だった。というようなことも起こりえます。重要なのは、
男性脳女性脳どちらの傾向が強いのか。
を判断することです。どちらの傾向が強いのかがわかれば、どのような接し方をするのが効果的かを判断することが可能になります。
2.これだけ違うんだったらすれ違って当然。男性脳女性脳それぞれの特徴
男性脳と女性脳とでは、正反対ともいえるような違いがあります。この脳の違いが、男女間のすれ違いの原因です。しかし、脳の違いがあったとしても、自分と相手との異なる脳の特徴を認識することで、お互いに理解することができます。男性は感情をはさまず理論的な物言いをする。女性は感情を込めた説明の仕方をする。こういった特徴を認識しておけば、相手に適した言い方を考えることができます。
男性脳の基本的特徴
男性脳の人には、優位性・一点集中型・論理的思考・最終思考・独立思考、という基本的な特徴があります。
優位性
相手よりも優位に立とうとする気持ちが強い。優位性からくる独占欲が強く働くため、共有するという発想にはあまりならない。
一点集中型
1つのことに集中して取り組むことが得意だが、複数のことを同時進行するのは苦手。
論理的思考
論理的な考えや物言いが得意だが、言葉から相手の感情を読むことは苦手。
最終思考
現在のことを深く考えるのは得意だが、過去や未来と関連づけて考えるのは苦手。
独立思考
自分は自分、他人は他人という考えが強い。
理想家
常に理想を追い求める傾向があり、現実的な計画や目標を立てるのが苦手。大成功か大失敗という極端な結果になりがち。
これらが男性脳の基本的特徴です。相手よりも優位に立ちたいという特徴から、笑いを取る時に相手をいじることが多かったり、論理的な考え方を好むという特徴から、具体的な機能面を気にしたりするのです。
女性脳の基本的特徴
女性脳の人には、共感・マルチタスク型・感情型・拡大思考・当事者思考、という基本的な特徴があります。
共感
共感や共有という意識が強く、相手と同じ立場に立ち人間関係を深めようとする意識が強い。共感を求めるため、なんでもすぐに共有したがる。
マルチタスク思考
電話をしながら片付けをするなど、複数のことを同時に考えることができ、行うことができる。
感情型
言葉や相手の表情から感情を読み取るのが得意で、相手にも読み取ってほしいという思いが強い。そのため、自分の気持ちを読み取ってもらえないとストレスを感じることもある。
拡大思考
現在のことを過去や未来と関連づけて考える傾向が強い。
自己関連づけ
何かを説明するときや、何かを相談された時に、自分ごととして捉える傾向が強い。これは先に書いた「共感」という特徴が大いに影響している。
現実主義
無理をせずに堅実なため、計画や目標を立てることが得意。そのかわり、失敗はなかなかしないが、大成功もあまりしないことが多い。
これらが女性脳の基本的特徴です。相手と共感したいという特徴から、笑いを取る時に相手を傷つけるかもしれないイジリはあまりせず、自虐的な話題を好みます。感情を含むのも読み取るのも得意という特徴から、言葉の裏に隠れている本音や表情を読み取ることが得意です。
脳の特徴を理解すれば、すれ違いをなくせる
上記のように、男性脳と女性脳では、真逆ともいえるようなそれぞれの特徴があります。男性が自慢話ばかりするのは「優位性」のためだといえますし、女性の話が目まぐるしく変わるのは「拡大思考」のためだといえます。このような脳の特徴から、男女が何も考えずに会話などをしていると、どうしても認識のズレが発生し、気持ちがすれ違ってしまいます。ですが、
相手の脳の特徴を理解する。
ことができれば、このすれ違いをなくすことができます。男性脳の人と女性脳の人が会話をするときは、男性脳側は
「優位性」からくる自慢話ばかりをしないようにする。女性の言葉は言葉通りに受け取るのではなく、言葉の裏に隠れている感情を論理的に推測する。
といったような対応が考えられます。
女性脳側は
「拡大思考」のために話が目まぐるしく変わりすぎないようにする。男性は言葉通りに受け取る傾向が強いから、何かを伝える際はなるべく具体性を込めた言い方をする。
といったような対応が考えられます。
相手の脳の特徴を理解することで、他にも様々な対応が考えられるようになります。逆の脳になることは不可能ですが、逆の脳の特徴がわかっていれば、どのような対応をすればいいのかを考えることはできます。この考えるという行動が、相手とのすれ違いをなくすための唯一の手段です。
3.それぞれの特徴を理解すればもうすれ違わない。男性脳女性脳別のコミュニケーション方法
相手の脳の特徴に合わせた伝え方をすることで、すんなりと伝わるようになります。褒め方や叱り方、質問の仕方など、常に相手の脳の特徴を意識しましょう。
やる気を引き出す褒め方
男性脳はプライドを満たし、女性脳は心(感情)を満たしてあげることがポイントです。
男性脳への効果的な褒め方
男性脳には「自己評価」「自慢」という特徴があり「自分のプライドを満たしてほしい」という思いがあります。そのため、能力をストレートに褒められることで、心に刺さりやすくなります。
また、優位性という特徴から、立場やキャリアの違う人からの評価でプライドが満たされやすくなり、やる気が出ます。
女性脳への効果的な褒め方
女性脳には「拡大思考」という特徴があり現在のことでも未来や過去にまで広げて考えてしまいます。そのため、現在の結果だけを褒めるのではなく、そこまでの過程も含めて褒めることが効果的です。
また、共感という特徴から、同年代の同僚や身近な仲間からの評価で心が満たされやすくなります。
プライドを満たされたい男性脳と、感情を満たされたい女性脳という違いが現れます。
違う立場の人からストレートに褒められたい男性脳、身近な仲間から過程を労ってもらいたい女性脳。
この違いを心がけて相手を褒めることで、やる気を引き出すことができます。
Evidence
ウインザー効果:当人から聞いたことよりも、人づてに聞いたことの方を信じやすいという心理傾向。「〇〇さんがあなたのことを褒めてたよ。」といったような、第三者から聞いたことの方を信じやすい心理傾向です。
信頼を勝ち取る叱り方
男性脳なのか女性脳なのか、上の立場なのか下の立場なのかで、効果的な叱り方は変わってきます。それぞれのケースごとの違いをまとめていきます。
上司:男性脳 部下:女性脳の場合
叱られている女性脳には「拡大思考」という特徴があり、今現在のことだけではなく、過去の悪いことまで思い出し、ネガティブな未来を想像してしまいます。叱る側は「前は上手にできていた(過去)」「次に繋がるよ(未来)」というような発言を付け加えることで、過去と未来にネガティブ思考が入り込むことを防ぐことができます。
上司:女性脳 部下:男性脳の場合
女性脳が叱る場合、「拡大思考」に陥っていないかを考えることが重要です。現在のことを叱る必要があるのに、拡大思考により過去のミスを持ち出し、未来を否定してしまわないように気をつけましょう。男性脳は「最終思考」なので、過去と未来を持ち出されても理解することがなかなかできません。
どちらのケースでもポイントになるのは、女性脳の特徴である「拡大思考」です。つまり、
「拡大思考」への理解が、上手に叱るコツ。
ということです。男性脳の人は「拡大思考」という思考を理解し、女性脳の人は「拡大思考」が強く働いていないかを常に意識しましょう。
信頼を取り戻す謝り方
相手の脳に合わせた謝り方をすることで、信頼を取り戻しやすくなります。相手の脳の性別を判断し、男性脳に合わせた謝り方、女性脳に合わせた謝り方をしましょう。
男性脳の人に謝る場合
男性脳の「論理的」「最終思考」という特徴に合わせて謝りましょう。素直に自分の非を認め、今後具体的にどのような解決策をとるかを伝えましょう。その際は過去と未来に関することは必要なく、現在に関わることだけ伝えるようにしましょう。
女性脳の人に謝る場合
女性脳の「拡大思考」という特徴に合わせて謝りましょう。つまり自分も「拡大思考」で謝るということです。さらに、相手よりも少しだけ大きく拡大すると効果的です。先月のことを怒られたのであれば、昨年のことまで引き出して謝る、といった感じです。「先月」よりも昔である「昨年」と先回りして拡大することで、相手の「拡大思考」の行き先を前もって塞ぐことができます。そうすれば「そこまでわかっているならもういい。」となることが多いです。
このようにそれぞれの脳の特徴を理解していれば、適した謝り方をすることができます。
男性脳にはシンプルに、女性脳には負けず劣らずの「拡大思考」で。
このように謝ることで、信頼を取り戻せる可能性があがります。
傷口を広げない励まし方
励まし方も謝り方同様に、相手の脳に合わせた方法をとることが重要です。誤った方法で励まそうとすると、かえって傷口に塩を塗ってしまう場合があります。正しい励まし方で、相手に元気になってもらいましょう。
放っておいてほしい男性脳
ミスした直後のフォローは、男性脳の特徴である「優位性」からくるプライドを傷つけてしまう可能性があります。励まされるということを、憐れみを受けると感じてしまう傾向があります。男性脳のプライドを傷つけないためにも、ミスした直後は何もせずに、本人が納得するための時間を与えてあげることが重要です。
発散したい女性脳
話すことでストレスを発散させ、感情を安定させようとするのが、「共感」という特徴を持つ女性脳の考え方です。そのため、ご飯に誘うなど話ができる機会を設け、積極的なコミュニケーションを図ってあげることが重要です。
励ます際は、男性脳の「優位性」という特徴と、女性脳の「共感」という特徴を理解することが重要です。
男性脳は放っておき、女性脳は話しを聞いてあげる。
このような違いを理解して相手を励ましてあげましょう。
答えてもらえる質問の仕方
重要なのは、「相手が発信したくなるような質問の仕方をする」ということです。男性脳の「優位性」「論理的思考」という特徴、女性脳の「共感」「感情型」という特徴を有効活用した質問の仕方をすれば、回答率をあげることができます。
論理的に聞かれると答えられる男性脳
男性脳は感情表現が苦手です。食事をした際に「どう?」と聞かれても、「おいしい」「おいしくない」ぐらいのことしか答えられません。ところが論理表現が得意なため、「今後に活かしたいから、味付けや量に関してあなたの意見を聞かせて」と論理的に聞かれると、「味付けは辛すぎず甘すぎずよかったよ。量はほんの少しだけ多かったから、次は少なめにしてもらえると嬉しいな。」と途端に答えやすくなります。
感想を聞かれると答えられる女性脳
女性脳は論理的表現は苦手です。「今後に活かしたいから、味付けや量に関してあなたの意見を聞かせて」と論理的に聞かれてしまうと、途端に面倒になってしまいます。ですが感情表現が得意なため、「ご飯作ったよ。どうかな?」といったように感想を聞かれると、「おいしいよ。おいしくて食べすぎちゃった。強いて言えばもう少しだけ量少なくてもいいかな。でもおいしいよ。」とスラスラ答えられるようになります。
質問の内容は同じですし、答えている内容も同じですが、聞き方を間違えてしまうと全く答えが聞き出せなくなってしまう可能性があります。
男性脳は論理的に聞かれれば答えやすく、女性脳は感想を聞かれれば答えやすい。
この違いを理解しておくことで、相手の思いを聞き出しやすくなります。実用的なところでは
「お客様アンケート」の書き方でも活用できます。
女性客から聞き出したい場合は「感想」を聞く質問の書き方をし、男性客から聞き出したい場合は「論理的」な質問の書き方をすることで、回答率がグッと上がります。
4.無駄な努力はさよならばいばい。脳の性別を活用したマーケティング・セールス方法
これまでに説明してきた男性脳女性脳別の特徴を理解し、マーケティングやセールスに活用することで、今まで以上の成果を期待することができます。
常連になりたがる男性脳と口コミをしたがる女性脳
常連客を獲得したいのであれば「浮気をしない」男性脳が適しており、口コミを狙うのであれば「薦めたがる」女性脳が適しています。
常連になりたがる男性脳
男性脳の人は、特徴である「優位性」からくる「占有欲(自分のものにしたいという欲)」より、一度気にいるとずっと利用する傾向が強いです。同じく「占有欲」より、情報を共有せず、独り占めする傾向があります。また「論理的思考」という特徴から、機能やスペックなどを重要視する傾向が強いです。つまり、
機能やスペックを押し出し、利用する価値を感じさせることで常連客になってもらえる可能性がありますが、口コミは期待できません。
安定した売上を考えた際は、男性脳は浮気をしづらいのでターゲティングとしてとても有効ですが、口コミを期待するのはやめておきましょう。
口コミをしたがる女性脳
女性脳の人は、特徴である「共感」からくる「共有したい」という思いから、みんなのために情報をシェアしたいと考える傾向が強いです。また、「自己関連づけ」という特徴から、「利用している自分の姿をイメージできる」ような情報に強く反応すると言われています。つまり、
利用シーンをイメージしやすい見せ方をすることで興味を引きやすくなり、口コミをしてもらえる可能性もとても期待できます。
口コミを期待するのであれば、女性脳の人をターゲティングする方が確実にいいでしょう。ただ、「みんなのために情報をシェアしたい」という思いもあり、常に「お得情報」を求める傾向が強いです。そのため、あれやこれやと浮気する可能性が高く、繫ぎとめるためには常にフォローし続ける必要があります。
男性脳女性脳に合わせたターゲティングをし、ターゲットに合わせたマーケティングをするということが重要です。
常連を狙うなら男性脳、口コミを狙うなら女性脳。
狙いに適したターゲットを選定し、ターゲットに適したマーケティングをすることで、無駄なく効率的に結果を出すことができます。
深く知りたい男性脳と広く知りたい女性脳
ではどのようにすれば、男性脳女性脳それぞれにとって効果的なアプローチができるのかを説明します。
深く知りたい男性脳
男性脳の人は、「一点集中型」という特徴から、一つのことに集中して深く掘り下げるような思考を好みます。また、所有することで自分が満足できる価値やスペックを重視します。つまり、
一点に集中してアピールする。
ことが最も効果的と言われています。含まれる全てのメリットを満遍なく伝えるよりも、価値やスペックなど相手が最も関心を持っている一つのことに特化してアピールすることで、最も男性脳の人に響くといえます。
広く知りたい女性脳
女性脳の人は、「マルチタスク型」という特徴から、一つのことがさまざまなことを網羅するような思考を好みます。また、いろいろなシーンで便利に使っている自分の姿を想像させてあげることが効果的です。つまり、
「あなたにとって様々なメリットがある」ことをアピールする。
ことが最も効果的と言われています。含まれる全てのメリットを満遍なく伝え、「これ一つでこんなにたくさんのことができる。」という点をアピールすることで、利用している自分の姿を想起させ、効果的にアプローチすることができます。
男性脳女性脳がそれぞれ好むアピールの仕方を、ターゲットに合わせて選択することが重要です。
男性脳の人には「特化型アプローチ」、女性脳の人には「網羅型アプローチ」。
これはマーケティング時にも、セールス時にも有効です。相手の脳に合わせたアプローチをしていきましょう。
最後は自分で決めたい男性脳と最後まで決めてほしい女性脳
「考える」という真の労働を回避するためなら、人はあらゆる手段に出る」という人間の心理があります。この心理を有効活用して、「1度迷わせる。迷った瞬間にすすめる。」とすることで、高い確率で買ってもらえるようになります。この方法でも、男性脳女性脳でアプローチの方法が少し異なります。
最後の最後は自分で決めたい男性脳
男性脳は最後まで人に決められてしまうと「優位性」からくるプライドが傷ついてしまいます。「流されている」と感じてしまう危険性もあります。そのため最後の最後に自分で選べる選択肢を残しておいたほうが効果的です。
「〇〇を重視するならA、〇〇を重視するならBがいいかと思いますが、どうでしょう?」
というように、最後の最後には自分で決められる選択肢を残してあげながらアピールをすることが効果的です。
最後まで決めてほしい女性脳
女性脳は共感力が高く、他人の意見を大事にするという特徴があります。そのため最後には売る側がズバリ一押しを指定してあげたほうが、安心して買いやすくなります。
「それでしたら、私はAがおすすめです。」
と、直接的におすすめをアピールをすることが効果的です。
決断直前にも、脳の性別による違いが発生します。
男性脳の人には「最後の選択肢」を、女性脳の人には「私のおすすめを」。
せっかく購入直前まで誘導できたとしても、最後の締め方を間違えると残念なことになってしまいます。最後の最後まで相手の脳の特性に気を配りましょう。
失敗したくない男性脳と可能性を消したくない女性脳
意思決定後のアフターフォローでも男性脳女性脳の特徴を活用することで、相手をお得意様にすることができます。
失敗したくない男性脳
男性脳の人に対して必要なアフターフォローは、
選択の正当性を感じさせる。
ことです。この選択がいかに最適か、他の選択よりも優れているかを伝えることで、悔いや迷いを打ち消し、「間違いではなかった」と思わせることができます。
可能性を消したくない女性脳
女性脳の人に対して必要なアフターフォローは、
選択しなかったものも活用できる可能性が残っていることを伝える。
ことです。たとえばスケジュール決定の際に「Aに行く」という選択肢を除いたとします。その際のフォローは「もしも時間に余裕ができたらAにも行こう」と、可能性がまだ残っているということを伝えることが効果的です。そうすることで、「無理やり一つに決めた」という思いを抑えることができます。
満足度を高めるためには、いかにして意思決定者の後悔や迷い、失敗感を排除するか、自分の選択に自信を持ってもらえるかが重要です。
正当性を感じたい男性脳、可能性を保持したい女性脳。
適したフォローで相手の満足度を高め、お得意様になってもらいましょう。
以上が 、DaiGo氏著「男女脳戦略。男にはデータを、女にはイメージを売れ」の要約です。最後に本書の一節を引用し、この記事を締めたいと思います。
男性脳・女性脳の強さの傾向に合わせて、相手への対応を柔軟に変えることができれば、あなたのビジネスは飛躍的な成果をあげることが期待できるでしょう。
メンタリスト DaiGo. 男女脳戦略。